OEM(受託製造)コラム
BLOG
化粧品原料のエキス、オリジナル原料として製造はできる?

化粧品原料の1つにエキスがあります。
エキスとは、素材がもつ有効成分のみを抽出して凝縮させた原料の事です。
少量の添加で有効成分を十分に配合する事ができる為、効果の高い商品を作る事ができます。
この記事では、化粧品原料として使用されるエキスを製造する場合の注意点について解説します。
これから化粧品の製造や販売を検討されている方はこの記事を参考に、商品づくりを進めてください。
SUNAO製薬では、化粧品のOEM製造をお受けしております。化粧品の製造/販売をご計画中の方はお問い合わせください。
目次
なぜ化粧品にはエキス原料が必要なのか?
化粧品の原料は主に粉末とエキスがあります。
エキスとは、植物や動物などの原料から有効成分を抽出して凝縮させたものです。
原料のままでは微量しかない有効成分でも、エキスにする事で少量の添加で有効成分が豊富な商品を作る事ができます。
素材そのままでは劣化してしまう原料も、エキス化する事で安定性が高くなるメリットもあります。
化粧品の製造には配合する原料を選ぶ必要がありますが、独自性の高い商品を作る為にエキスの原料にこだわるのも戦略の一つです。
化粧品で使われるエキスの抽出方法
抽出方法によってそれぞれ抽出できる成分や特徴に違いがあります。
成分と相性の良い方法を選択できるように把握しておきましょう。
ここでは、エキスの抽出方法について紹介します。
熱水抽出法
熱水抽出は、水を加熱して有効成分を溶かす方法で、水溶性の成分を抽出するのに適しています。
熱水の他にも、水蒸気を利用して成分を分離させる水蒸気蒸留があります。
原料に水を加えて加熱すると、原料の揮発性成分が水蒸気として蒸発します。
その後、水蒸気を冷却して再凝縮させる事で、有効成分を取り出します。
植物性の原料で主に使用されています。
アルコール抽出法
原料にアルコールを浸して有効成分を溶け出させる方法です。
親油性成分が主に抽出されます。
様々な原料から成分を抽出できる為、幅広く使用されている方法です。
超臨界CO2抽出法
超臨界CO2抽出法とは、気体と液体が共存できる限界を超えた領域で抽出する高度な技術の抽出方法です
残留溶媒の心配がなく、熱に弱い成分や酸化を防ぎたい成分などデリケートな原料でも対応する事が可能です。
その他の抽出法
他にも、原料を発酵させて酵素で分解する事で有効成分を抽出する酵素分解法があります。
植物成分の他、胎盤を原料としたプラセンタなどの動物性原料でも使われています。
超音波を使用した超音波抽出法は、短時間で熱を加えずに抽出できる為デリケートな原料でもおすすめです。
主に植物原料で使用されています。
化粧品のエキス原料とは?その種類と特徴
エキスは由来となる原料の種類別で分類されています。
使用制限のある原料もあるので確認しておきましょう。
ここではエキス原料の種類と特徴について紹介します。
植物由来エキス
植物から有効成分を抽出したエキスです。
カモミールやローズマリー、アロエなど様々な植物から抽出する事ができます。
植物により期待できる効果に違いがあり、保湿や美白、肌荒れ防止など様々な効果が期待できます。
絶滅危惧種や採取が禁止されている植物は使用できない為注意しましょう。
動物由来エキス
豚や馬の胎盤など、動物の一部を原料に抽出されたエキスです。
例として、コラーゲンやプラセンタ、ヒアルロン酸など、多くの化粧品で使われている原料が動物由来エキスです。
動物虐待に繋がる方法で採取したエキスや、特定の動物由来のエキスは使用が制限される可能性があります。
ヴィーガンコスメは、動物由来の成分を配合していないコスメの事を言います。
海洋性エキス
昆布やもずくなど、海の原料から作られるエキスです。
海藻エキスや真珠エキス、海洋深層水などが当てはまります。
肌に潤いを与える保湿効果の他に、抗酸化物質を豊富に含んでいる事から、酸化ストレスから肌を保護す効果が期待できます。
採取量に制限がある海洋生物由来のエキスや、環境汚染を引き起こす可能性のあるエキスは使用を制限される場合があります。
その他
微生物の発酵の力を活用して作られた微生物由来エキス、発酵エキスなどがあります。
保湿効果の他に、ターンオーバーの促進や美白効果などが期待できます。
オリジナル素材で化粧品原料のエキス抽出はできるの?
エキスを抽出する事は可能ですが、どの原料でも使用可能なわけではなく化粧品原料として使用して問題ないかを検査してから作る必要があります。
人体への影響が考慮され化粧品として使用してはいけない原料もある為、オリジナルで抽出する場合には使用可能か確認してから進めましょう。
詳しい内容については営業担当者にお問い合わせください。
製造基準の遵守も必要
化粧品原料として使う場合は、エキスの製造でも製造販売業許可、製造販売販売業許可が必要になります。
また、製造するには製造規範(GMP)を遵守し製造工程と品質を管理しなければいけません。
オリジナル素材での抽出に挑戦したい場合は、必要な設備や許可、かかる費用や期間などの確認が必要です。
オリジナルの化粧品原料を作ることは難しい。
自身で生産した農産物を、オリジナル原料としてエキスの抽出に使用したいと考えても、すぐに作るのは難しいのが現状です。
自身で製造設備を整えると膨大な費用と期間が必要になる為、化粧品製造販売業許可をもった工場に依頼する必要があります。
素材にもよりますが、エキスにできるかどうかはやってみないとわからない為試作は必ず必要です。
食べられる原料であれば、サプリメントなどの食品で使用する方が早い可能性もあるので、時間や費用がかかる場合には別方面での利用を考えてみても良いでしょう。
化粧品のエキス原料についてのまとめ
化粧品原料のエキスは、少量の添加で有効成分を十分に配合できる為とても使いやすい原料です。
しっかり効果を出したい商品を作る場合、エキス原料を使用すると良いでしょう。
オリジナルのエキスを作る場合は、化粧品として使える素材なのか、エキスにできるのかなど確認が必要な点が多数あるので注意が必要です。
SUNAO製薬では化粧品のOEM製造をお受けしております。
オリジナル化粧品の製造や販売をご計画中の方はお気軽にお問い合わせください。