OEM(受託製造)コラム
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【3分でわかる!】OEMとは?

サプリメントの製造や販売を調べると、よく出てくるのが「OEM」という言葉です。
OEMは“Original Equipment Manufacturer”の略で、日本語では「受託製造」と呼ばれます。
目次
OEMでできること
OEMを利用すると、工場や設備を持っていなくても、自社の名前で商品を販売できます。
例えば次のようなことが可能になります。
- 製造に必要な免許・工場設備を持たなくても、商品作りができ、事業を始められる
- 希望する成分やコンセプトを伝えることで、専門知識がなくてもオリジナル商品を実現できる
- 自社ブランド名やデザインを自由に設定できる
原料の配合や製造管理、品質チェックといった専門的な部分は工場に任せられるので、「こういう商品を作りたい」と伝えることで、自社ブランド商品を形にできるのがOEMの特徴です。
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ODMとの違い
似た言葉に「ODM」があります。
ODMは“Original Design Manufacturer”の略で、製造だけでなく企画や設計までメーカーが主体となって行う方式です。
依頼者は大枠の希望を伝えるだけで、処方設計やデザインまでメーカーから提案を受ける形になります。
- OEM:依頼者が企画 → メーカーが製造
- ODM:メーカーが企画から設計・製造まで一括対応
依頼者の関与度が高いのはOEM、丸ごと任せやすいのはODM、と理解するとわかりやすいでしょう。
ただし実際には、ODMまでするOEMメーカーも多く存在します。
OEMを検討するときに確認しておきたいこと
- OEMとODMはどちらが適しているか:企画を自分で主導したいのか、設計から任せたいのかで選択が変わる
- 最小製造単位(ロット):どれくらいの数量から依頼できるか
- 納期・コストの明確化:どのくらいの予算・日数で商品化できるか
- 品質基準(GMPなど):どのような基準で管理されるか
これらを理解して依頼すれば、よりスムーズに製造を進められます。
さらに知っておきたいOEMの知識
以上、「【3分でわかる!】OEMとは?」でした。
ここから先は“おまけ”として、OEMでサプリを作るときに多くの人が見落としがちなポイントをまとめています。(7分ほどで読めます。)
OEMを選ぶかどうかの判断材料
サプリを販売する方法はいくつかあり、大きく分けると次の3つです。
| 方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 自社製造 | 工場や設備を持ち、製造に必要な資格を取得して一から作る。投資と人員負担が大きい。 | 大規模展開を目指す企業 |
| OEM/ODM | 専門工場に依頼して製造。OEMは企画を自社で主導、ODMは企画からメーカーに任せられる。資格や設備が不要で、独自性やスピードに応じて選べる。 | ブランドを育てたい中小企業、経験が少ない事業者 |
| 卸(仕入れ販売) | 既製品を仕入れて販売。最も手軽だが、独自性は出しにくい。 | とにかく早く販売を始めたい人 |
この3つを比べると、自社製造はハードルが高く、卸は簡単だけれど差別化が難しい ことがわかります。
その中間にあるのがOEMやODMで、設備や資格が不要でありながら、自社ブランドの商品を展開できる点が魅力です。
では実際に委託する場合、OEMとODMのどちらを選ぶべきか。
ここからは、その判断基準や依頼時の具体的なポイントについて解説していきます。
OEMとODMの現実的な境目
一般的には、OEMとODMは次のように区別されます。
- OEM:依頼者が企画し、メーカーが製造する
- ODM:メーカーが企画から設計・製造まで行う
OEMをうたっているメーカーでも、処方の提案や試作サポートを行うケースは多くあります。
依頼者からすると「OEMかODMか」という区分よりも、「どこまでサポートしてもらえるか」 を確認する方が大切です。
SUNAO製薬でも、OEMの形でご依頼いただいても処方組みや企画サポートに対応しています。
つまり「OEM=依頼者が全部決める」と思い込まずに、メーカーごとの対応範囲を確認するのがおすすめです。
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OEMするなら知っておきたい実務ポイント
ロット(最小製造数量)
OEMでは「何個から作れるか」が大きな分岐点になります。
数百個から対応できる工場もあれば、数千個が基本のところもあります。
販売計画や在庫リスクに直結するので、最初に必ず確認しておくべき要素です。
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納期とスケジュール
OEMの製造には「処方設計」「試作」「パッケージ制作」「本製造」といった複数のステップがあります。
一般的に、企画から納品まで 3〜6か月程度 は見込む必要があります。
発売時期やキャンペーンに合わせるなら、逆算して依頼を始めることが大切です。
コスト構造
サプリメントOEMの費用は「原料費」「加工費」「パッケージ費用」に分かれます。
ロット数が多いほど1個あたりの単価は下がりますが、在庫リスクも増えるため、無理のない数量設定が必要です。
また、製造コストに関して「出来高」という概念があります。
出来高について解説している記事もございますので、そちらをご参照ください。
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契約上の確認点
OEM契約では「処方の知的財産権」「納品形態」「返品条件」「支払方法」などを事前に取り決めます。
特に処方を自社専用にできるかどうかは、商品差別化に関わる重要ポイントです。
サプリメント製造に関わる法律・ルール
OEMで作られるサプリメントは「食品」として扱われます。そのため以下の法律が関係します。
- 食品衛生法:食品衛生法は、食品の安全を守るための基本的な法律。健康食品を製造するには、工場ごとに「食品等製造業の許可」が必要。
- 薬機法:医薬品と食品の線引きを明確にし、誤解を招く表現を規制する。処方設計やパッケージや広告などの表現に関係。
- 食品表示法:原材料や栄養成分の表示を義務付ける。パッケージの表記に関係。
- 景品表示法:過大・誤解を招く広告表現を禁止する。広告や販売ページなどに関係。
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OEMが選ばれるリアルな理由
実は、自社でサプリを製造するとなると「食品製造業の許可」や専用設備が必要です。
ただ、これを自社でそろえるのは、時間もお金もかかって現実的に非常に難しいところがあります。
だからこそ、サプリの製造を検討している多くの人は、資格や設備を持たなくても製造が可能 になるOEMを選んで、「企画やブランドづくり」に集中できるようにしています。
販売まで見据えた準備
OEMで商品を作るだけでは成功につながりません。
販売計画までを視野に入れることが重要です。
- 販売チャネル:EC、店舗、クリニック、サロンなど
- 価格設定:原価や競合価格を踏まえた上での適正価格
- リピート性:飲みやすさや味は継続利用につながる要素
製造と販売を一体で考えることで、OEMの価値が最大限に活かされます。
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まとめ
OEMとは「自社ブランドの商品を専門工場に依頼して作ってもらう仕組み」です。
ここまでの基本を理解したら、次は 「本当にOEMが自社に合っているか」「依頼時に何を確認すべきか」「販売までに必要な準備は何か」 を考えることが重要です。
OEMは「資格や設備がなくてもサプリ事業を始められる」強力な方法ですが、ロット・契約・法規制といった実務的な要素を押さえてこそ、成功につながります。
「サプリメントOEMの基礎知識を知りたい」という方は、SUNAO製薬がまとめた資料がございますので、よろしければダウンロードしてご参照下さい。






