鉄分
製造に使用できる原料
生命活動を支えるミネラル「鉄分」
鉄分は、血中で酸素を運ぶヘモグロビンや、筋肉で酸素を貯蔵するミオグロビンの材料として働く、生命維持に欠かせないミネラルです。
赤血球の形成やエネルギー代謝など、多方面で身体の基本的な働きを支えています。
日本は「貧血大国」とも言われ、先進国の中でも貧血の割合が多いです。
特に女性は月経による損失があるため、鉄分が不足しやすい傾向があります。
また、身体が低い鉄分状態に慣れてしまい、明確な症状が出にくいケースもあると言われています。
そのため、「なんとなく不調」の背景に鉄分不足が隠れている可能性が指摘されることもあります。
こうした理由から、鉄分は女性向けサプリメントを中心に安定した需要がある原料です。
鉄にはヘム鉄・非ヘム鉄・フェリチン鉄などの種類があり、吸収性や胃への負担が異なるため、目的や体質に合わせた選択が求められます。
鉄の効果
サプリメントにおける効果
赤血球の形成
鉄分は赤血球のヘモグロビンを構成するミネラルで、日々新しく作られる赤血球の材料として不可欠です。
女性は鉄分の必要量が高いため、欠かせない栄養素として日常的な健康維持に役立ちます。
酸素の運搬
ヘモグロビンとミオグロビンに鉄が含まれることで、全身の細胞に酸素を届ける役割を担います。
鉄分が不足すると酸素供給が滞り、「疲れやすい」「だるい」と感じやすくなると言われています。
エネルギー産生に関与する酵素をサポート
鉄分はエネルギー代謝を補助する酵素の働きをサポートし、体内の代謝活動に関与します。
運動をする人・忙しい生活を送る人にとって、日々の活力維持に関わる栄養素と言えます。
女性の健康維持をサポート
女性は、体の特性(月経など)から、鉄分の必要量が高いです。
そのため、鉄分は女性向けサプリやマルチミネラルサプリに採用されています。
化粧品における効果
着色剤としての発色と安定性
酸化鉄は、黄色・赤・黒など多彩な色調を持ち、ファンデーションやポイントメイクの色設計に欠かせない色材です。
安定性が高く、ナチュラル系・ミネラル系コスメでも主要な色材として採用されています。
参考文献:厚生労働省、厚生労働省eJIM「統合医療」情報発信サイト
化粧品表示名称
- 鉄
- 酸化鉄
1日推奨摂取量
| 区分 | 推奨量(mg/日) |
|---|---|
| 成人男性(12~49歳) | 7~7.5 mg |
| 成人女性(12〜49歳月経あり) | 10~10.5 mg |
| 妊娠中・授乳中 | 2.5~8.5mg |
鉄を使ってサプリメント・化粧品のOEM製造をする場合
鉄分を用いたサプリメントを企画する際は、まずヘム鉄・非ヘム鉄・フェリチン鉄などの種類による吸収性や胃への負担の違いを理解することが重要です。
一般にヘム鉄は非ヘム鉄より吸収率が高いと言われ、ヘム鉄は約50%、非ヘム鉄は約15%前後とされます。
非ヘム鉄は安価で扱いやすいものの、人によっては胃のムカつきが出やすい場合もあります。
ターゲットとしては、妊娠期・産後・月経量が多い方・忙しく食事が偏りがちな方・活動量が多い方などが想定され、女性向け商品との相性が非常に高い成分です。
配合量の設計や、ビタミンCなど吸収をサポートする成分との組み合わせも企画のポイントになります。
一方で、鉄分は過剰摂取に注意が必要な成分です。
過剰摂取すると、肝臓や膵臓の障害糖尿病、動脈硬化などを引き起こす可能性があります。
誤飲リスクへの配慮として、容器設計や注意喚起表示の工夫も大切です。
化粧品分野では、鉄は主に酸化鉄として着色用途で使用され、ファンデーションやアイブロウなどのポイントメイクで欠かせない原料です。
鉄分は、サプリメントと化粧品で異なる目的で活用される原料です。
サプリでは不足しがちな栄養素を補い、化粧品では色材として製品の仕上がりに関わります。
用途ごとの特性を踏まえながら、企画や処方を設計することが、安全で魅力的な製品づくりにつながります。
鉄分やそれに似た効果の原料を使ったサプリメント・化粧品の製造をご検討の場合は、お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。
本ページに記載されている内容は、健康食品・化粧品などの製造を検討されている方を対象として掲載しております。一般の方への提供を目的した情報掲載ではございません。
サプリメントや健康食品、化粧品の製造販売をご検討中の方はお気軽にSUNAO製薬までお問い合わせください。




