OEM(受託製造)コラム
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【化粧品 原価率】目安はどれくらい?失敗しない価格設定の方法

化粧品の開発や販売を進めていくと、「原価ってどのくらいが適正?」「他社の原価率は?」「価格はどう決めればいい?」など、コストや価格設定に関する悩みが出てきますよね。
この記事では、
- 化粧品の一般的な原価率を知りたい方
- 販売チャネル別の価格設定の注意点を押さえたい方
- 原価率をもとにした価格設定方法を知りたい方
に向けて、化粧品ビジネスで収益を高めるための「原価率と価格設定」についてわかりやすく解説します。
収益性の高い化粧品づくりに、ぜひご活用ください。
SUNAO製薬では、化粧品のOEM製造を行っております。
化粧品の製造・販売をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
目次
原価率とは?
原価率は、「売上高に対する製造原価の割合」を示す指標です。
製造原価には、原材料費・容器やパッケージ費・製造人件費・工場経費などが含まれます。
原価率が低ければ低いほど、利益が確保しやすくなります。
化粧品の原価率の目安
化粧品の製造原価率は、おおよそ10%〜30%が目安とされています。 ただし、これは「製造原価」に限定した数値です。
実際には、製造以外にも広告費や物流費、販売手数料など追加のコストがかかります。 これらの費用は販売チャネルによって大きく異なり、最終的な利益構造に大きな影響を与えます。
化粧品のコスト構造を理解する
化粧品の製造原価は、以下のような要素から構成されます。
- 原材料費:美容成分・保湿成分・香料など。成分の種類や品質によって変動します。
- 容器・包装費:ボトル、チューブ、キャップ、ポンプなど。デザイン性や素材によってコストが上下。
- デザイン費:デザインを依頼する場合には、別途費用が発生します。デザイン会社に依頼する場合や、OEMメーカーに依頼する場合があります。
- 製造委託費:化粧箱、ラベル、外装フィルムなど。OEMメーカーへの依頼費用(工場運用費、人件費、製造技術料など)です。
- 試作費用:サンプルを作成する場合に、試作費用がかかることもあります。
- 品質管理費:安全性や安定性を確認するための費用。製品検査や安全性の確保にかかる費用です。
OEMで製造する場合は、これらをすべて含んだ「製造原価」が提示されます。
製造原価以外の主な費用
販売までには、製造原価以外にも多くの費用が発生します。
例としては以下のものが挙げられます。
- 販売促進・広告宣伝費
- 物流費(保管、梱包、配送)
- 人件費(マーケティング、営業、事務など)
- チャネル手数料(ECモールや代理店等への支払い)
- システム利用料(ECサイト、決済ツール、受発注管理)
- その他運営費(家賃、通信費など)
これらの費用の割合や重要性は、販売チャネルごとに大きく異なります。
【販売チャネル別】コスト構造と原価率の違い
以下は代表的な販売チャネルにおける、製造原価率の目安と特徴をご紹介します。
自社ECサイト
- 製造原価率目安: 20〜30%
- 特徴: 中間マージンがなく利益率は高いですが、集客コストと運用負担が大きいです。集客力・広告費のコントロールが必要なので、他の販売方法で経験を積んでから挑戦することをおすすめします。
直営店舗
- 製造原価率目安: 20〜30%
- 特徴: ブランド体験を提供できる反面、家賃・人件費など固定費が高くつきます。立地や客層の戦略が必要です。すでに店舗を持っている方は、店舗のお客様への販売に注力することで、売り上げを伸ばせます。
卸・代理店販売
- 製造原価率目安: 20〜40%(卸価格に対して)
- 特徴: 強い販路を持っている卸業者と取引できれば、販売数を伸ばして収益を安定して得られます。ただ、販売価格は決められないので、小売価格のコントロールは難しいです。また、卸業者に販売価格より安く卸すため、利益率は低くなります。
ECモール
- 製造原価率目安: 20〜30%
- 特徴: モールが持っている集客力を活かせますが、販売手数料や広告費が高額になる傾向があります。モール内SEOやレビュー対策が必要です。
複数チャネルの価格設定はどうする?
答えは一つではありませんが、基本的には「同一価格帯」にそろえるのが望ましいです。
ただし、在庫処分や特定チャネル向けキャンペーンでは、柔軟に調整することもあります。
化粧品の価格設定の方法と考え方
化粧品の価格設定は「原価率」だけでなく、「提供価値」や「ブランドのポジション」とも連動して考える必要があります。
①原価率ベースでの設定
②利益目標ベースでの設定
③市場価格から逆算する方法
競合価格帯と自社化粧品の差別化要素を加味して設定。
ブランド戦略と矛盾しない価格設定が重要です。
原価が高くなってしまったら?
化粧品の原価が高くなってしまった場合、以下のような対策が有効です。
- 原材料の見直し: 代替原料の採用や使用量の最適化
- 製造方式の効率化:化粧品製造をまるごと依頼できるOEMメーカーを選び、無駄のない生産を行う
- 容器・包装の工夫: 共通容器の採用、過剰包装の見直し
あくまで、品質やブランドイメージを損なわない範囲で行うことが前提です。
「化粧品は価格だけじゃない」消費者の選び方
化粧品は、単に安ければ売れる、高ければ高級というわけではありません。 消費者は、品質・効果・信頼性・ブランドの世界観など、総合的な「価値」で判断しています。
いまや情報は検索で得られる時代です。
「安物買いの銭失い」をしたくないと思い、価格に明確な理由を求める消費者も出てきました。
化粧品の「成分指名買い」が増えているのも、価格の納得感を求めることが背景にあると言えます。
そのため、成分や使い心地、コンセプトに納得感がなければ、価格に関係なく選ばれません。
逆に、しっかりと価値が伝われば、多少高くても「この商品なら買いたい」と思ってもらえます。
原価率×価値=ロングセラー化粧品への道
化粧品ビジネスの成功は、「誰に」「どんな課題を解決し」「どんな価値を提供するのか」が明確な製品設計と、それに見合った価格戦略から生まれます。
原価率と価格設定は、単なる計算ではなく、ブランド戦略そのものといえます。
製造原価・販売チャネル・価値提供のバランスを取りながら、愛され続けるロングセラー製品を育てていきましょう。
よくある質問(FAQ)
- 化粧品の平均原価率はどれくらいですか?
- 一般的に、化粧品の原価率は20〜30%程度が目安とされています。 ドラッグストアなどで販売される大量生産品は15〜20%前後、サロン専売品やD2C(メーカー直販)ブランドなど、こだわりの強い商品は25〜35%程度が多いです。 ブランドの戦略や販売チャネルによっても異なりますので、あくまで参考値として捉えるのがよいでしょう。
- 原価率が高くても売れる化粧品には、どんな特徴がありますか?
- 原価率が高い化粧品でも売れている商品は、成分へのこだわりやブランドストーリーの明確さ、パッケージの高級感など、ユーザーが「価格以上の価値」を感じられる要素を備えています。 また、訴求するターゲットが明確で、他社製品との差別化ポイントが分かりやすいことも大きな要因です。 価格だけでなく、「なぜその価格なのか」が伝わるかどうかが重要です。
- 価格を安くしても売れないのは、なぜでしょうか?
- 価格を下げても売れない場合、多くは商品コンセプトが不明確だったり、お客様に伝わっていないことが原因です。 また、化粧品の場合、「安すぎる商品=品質に不安がある」と捉えられてしまうこともあります。 特にスキンケア商品では、「安心・安全・効果」の3つが揃って初めて購入につながるため、単純な値下げだけでは逆効果になることもあります。
- OEMから見積もりを取るときに注意するべきことはありますか?
- OEMに見積もりを依頼する際は、単価だけで判断しないことが大切です。 製品の原材料や容器、検査費、納期、最小ロット数など、条件を細かく確認しましょう。 見積書の「含まれる費用」と「含まれない費用」を明確にし、あとから想定外のコストが発生しないように注意が必要です。 また、複数社から選ぶときにはコストだけでなく、対応の丁寧さや開発サポートの有無なども比較するとよいでしょう。
「原価×価値」が化粧品ブランドの未来につながる
SUNAO製薬では、化粧品のOEM製造を承っております。
原料の手配から処方設計、パッケージなどの資材準備、製品の充填まで、化粧品づくりのすべての工程を、まとめてお任せいただけます。
自社での化粧品開発の実績もありますので、経験に基づいたご提案も可能です。
化粧品の製造について気になることがございましたら、公式LINEまたはお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。