OEM(受託製造)コラム
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フェリチン鉄サプリをOEMで製造する際のポイントと成功戦略

鉄分は、酸素を全身に運びエネルギーを作り出すために必要不可欠なミネラルです。
女性は男性に比べると鉄分が不足しやすく、鉄分不足による貧血や頭痛、手足の冷えに悩む方も多くいます。
鉄分不足を解消する為には、鉄分を多く含む食材を食べる他にサプリメントで補給する方法があります。
鉄分の原料はヘム鉄や非ヘム鉄、そして第3の鉄とも呼ばれているフェリチン鉄があります。
今回はフェリチン鉄を使ったサプリメントをOEMで作る際のポイントについて解説します。
SUNAO製薬では、サプリメントのOEMをお受けしております。製造をご計画中の方はお問い合わせください。
目次
フェリチン鉄とは
フェリチン鉄と、その他の鉄分の特徴について解説します。
同じ鉄分でも、吸収率や体内での働きなどに違いがある為しっかり理解しておきましょう。
フェリチン鉄
フェリチン鉄とは、主に肝臓や脾臓、骨髄に蓄えられている鉄分の事を指します。フェリチンとはタンパク質の一種で、体内に存在し鉄分を貯蔵する事ができる「鉄貯蔵タンパク質」です。
血液中に過剰に鉄分があると、フェリチンが吸収してフェリチン鉄として蓄積します。
体内で鉄分が不足してくると、フェリチン鉄は血液中に鉄分を戻して補います。
フェリチン鉄は、体内の鉄分濃度を調節する重要な役割を担っています。
血液検査では、フェリチン値の数値でどの位貯蔵鉄があるかを測定し、その数値を参考に鉄分が不足しているか判断します。
通常、フェリチン鉄は食事からではあまり摂ることができず、摂取する場合はサプリメントがおすすめです。
フェリチン鉄の原料は、大豆・えんどう豆由来や卵黄由来、又国内では流通が希少ですが哺乳類由来があります。
豆由来の原料は、ビーガン向けや自然派の商品におすすめです。卵黄由来の原料を使用する場合は、アレルゲン表示が必要となる為注意しましょう。
ヘム鉄
ヘム鉄は、赤身肉やレバー、マグロなどの赤身魚など動物性の食材に多く含まれています。
体内での吸収率が高く、10%〜20%ほどの吸収率があると言われています。
非ヘム鉄
非ヘム鉄は、葉物野菜や豆類、海藻類、牛乳などに多く含まれている鉄分です。
ヘム鉄と比較して吸収率は低く、2〜5%と言われています。
非ヘム鉄はそのままだと体内に吸収しにくい為、吸収を助けるビタミンCと一緒に摂取する必要があります。
フェリチン鉄をつかって製造できるサプリメントの形状
フェリチン鉄サプリで使用できる形状について紹介します。形状はターゲットの使用シーンに合わせて選ぶ事がポイントです。
打錠/タブレット
打錠やタブレットは持ち運びが便利で製造費を抑えて作る事ができるメリットがあります。
容器はアルミ袋やボトル容器、1回分ずつの個包装があります。
アルミ袋は持ち運びしやすく資材のコストも抑える事ができます。
ボトルは見た目に高級感を出す事ができる為、高価格帯の商品におすすめです。
個包装は持ち運びが便利ですが包装工程が増える為製造費が高くなる点はデメリットです。
タブレットは美味しく風味付けをすればお菓子感覚で鉄分が補給できる商品になります。
カプセル
フェリチン鉄の原料は特有の鉄臭さはありませんが、大豆由来は大豆の香りがする等の素材の香りはあります。
もし原料の香りを完全になくしたい場合は、カプセルがおすすめです。
もし、フェリチン鉄以外で配合する原料にクセがある場合は、カプセルが飲みやすいでしょう。容器包装の選択肢は打錠/タブレットと同じです。
ドリンク
ドリンクタイプは他の形状と比較して体内への吸収率が最も高いのが特徴です。
ゲル化剤を加えてゼリーにする事も可能です。
ドリンクはダイレクトに味を感じる形状なので、美味しく味付けをする事が継続摂取のポイントになります。
プルーンなど鉄分が豊富な事がイメージできる風味がおすすめです。
粉末
粉末タイプは、水に溶かして摂るタイプと顆粒にしてそのまま摂取するタイプがあります。
どちらも味をダイレクトに感じるので美味しい風味付けが重要になります。水に溶かすタイプの場合、体を作る材料となるプロテインをプラスするのもおすすめです。
大容量サイズや1回分の個包装も製造可能な為、用途に応じて選びましょう。
フェリチン鉄でサプリメントを製造する場合のコツ
他の原料との組み合わせる事での利用効率の違いや鉄分の摂取上限など、製造するうえでの重要なポイントが多いのでしっかり確認しましょう。
ここではフェリチン鉄サプリを製造する場合のコツを紹介します。
相性の良い素材と組み合わせる
鉄分の吸収をサポートするビタミンCやL-リジンを配合すれば、吸収率の高さが訴求できる商品になります。
また、フェリチン鉄にヘム鉄を少量ブレンドして、複合鉄として鉄強化の商品もおすすめです。
妊婦の方向けや女性をターゲットにした商品の場合、葉酸やビタミンB12など不足しがちなビタミン商品とセット販売しても独自性が出て良いでしょう。
配合時の注意
カルシウムやポリフェノールは鉄分の吸収を阻害する為、配合しない方が良いでしょう。
また、フェリチン鉄は消化酵素耐性が高いのが特徴です、pH 5–7で溶解性が最適になるので、その中で収まるように最終製品のpHを調整すると良いでしょう。
鉄分は摂取上限があり、取りすぎると吐き気や腹痛、下痢などの過剰症が出る事があるので注意が必要です。摂取上限に合わせた処方設計が必須です。
フェリチン鉄サプリの製造でよくある質問
- フェリチン鉄とは何ですか?
- フェリチンというタンパク質の殻の中に鉄イオンが格納された「貯蔵鉄」で、体内では主に肝臓や脾臓、骨髄などに蓄えられています。サプリメントでは大豆やえんどう豆などの豆類由来のフェリチンを抽出し、従来の鉄塩と比べて胃腸への負担が少なく、鉄欠乏症の改善に有効とされる素材として用いられます。
- フェリチン鉄はどうやって抽出・精製するのですか?
- 豆類を粉砕後、水抽出によってタンパク質を溶出させ、フィルター分離技術を用いてフェリチンを含むタンパク質画分を濃縮します。その後、乾燥工程を経て粉末化します。
- 加熱工程でフェリチンが壊れませんか?
- フェリチンは熱に敏感なタンパク質で、長時間の高温処理では分解しやすい性質があります。そのため、サプリメント製造では低温での乾燥や短時間での殺菌処理を採用し、フェリチンの活性を可能な限り保持するよう工夫されています。
まとめ
鉄分は健康を維持する為に必要不可欠なミネラルで、女性を中心に不足しやすいミネラルでもあります。
サプリメントで補給している方も多く、今後も高い需要が予測されます。
鉄分には、他の原料との相性の良し悪しや鉄分の摂取上限などがある為、商品を作る際は注意しましょう。
鉄分の種類によっても特徴が違う為、どの鉄分が補給できる商品にするかも重要ポイントです。
SUNAO製薬ではサプリメントのOEM製造をお受けしております。製造をご計画中の方はご相談ください。