OEM(受託製造)コラム
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化粧品に使用される防腐剤。使用する理由と製造時の注意点を解説。
美容に欠かせないアイテムとして、私たちの日常生活に欠かせないのが化粧品です。化粧品の製造には様々な原料を使いますが、防腐剤の使用は重要なポイントとなります。
これから化粧品の製造をご検討中の方は、「防腐剤」について不安な声を聞かれたこともあるかもしれません。
- 防腐剤ってそもそもなぜ必要なのか?
- 防腐剤を使わないで製造することは可能なのか?
など、疑問を持たれる場合もあると思います。
この記事では、化粧品製造における防腐剤の役割や種類、そして製造時の注意点などをご紹介いたします。
SUNAO製薬では化粧品のOEM製造をお受けしております。製造をご検討の場合にはお気軽にお問い合わせください。
目次
化粧品に防腐剤を使用する理由
化粧品を長期間にわたって安全に使用出来るようにするためには、微生物の増殖や変質を防ぐ必要があります。
化粧品、特に化粧水や美容液には多くの水分が含まれている為、これが微生物の増殖を促進する要因となります。さらに開封すると空気中の微生物などによってより増殖しやすくなります。
シャンプーやコンディショナーは一般的に浴室に置かれていることが多く、高温多湿の状況が続き変質や劣化を引き起こします。
防腐剤を配合しなければ、微生物や製品の劣化により肌に悪影響を及ぼす可能性があるので、製品の品質を保ち消費者の安全性を確保するためには、防腐剤は不可欠と言えます。
ただし、水分を含まない場合や油を使い変質が起きにくい場合には防腐剤を使用せず製造出来る場合があります。
防腐剤の種類
防腐剤にはさまざまな種類が使用されています。
しかし、配合量や長期的な使用による健康への影響も懸念されているため、配合できる量の制限が設定されています。
ここでは主に化粧品で使われる防腐剤を紹介します。
パラペン
パラペンは、古くから利用されている防腐剤で、化粧品や食品などで使われいます。化学合成で作られていますが、パラベンは天然物中にも広く存在しています。微生物の成長を抑えて製品の劣化を防ぐ役割があります。
安息香酸
安息香酸は、アンソクコウノキから採れる樹液をもとに作られ、食品や化粧品などの製品に防腐剤として使われる成分です。食品の風味や香りを保つ効果もあります。
デヒドロ酢酸ナトリウム
デヒドロ酢酸ナトリウムは、食品の保存に用いられる防腐剤です。カビ、酵母などの微生物の繁殖を抑え、食品が腐るのを防ぎます。主にパンや菓子、飲料などに使用されており、適切な量で使うことで食品の鮮度を長く保つことができます。
ヒノキチオール
ヒノキチオールは、ヒノキの一種である「ヒノキアスナロ」から採れ、化粧品や洗剤などに抗菌作用を付与するとして添加されることがあります。
メチルパラベンナトリウム(パラオキシ安息香酸ナトリウム塩)
メチルパラベンナトリウムは、化粧品や医薬品、食品などで使用される防腐剤です。
フェノキシエタノール
フェノキシエタノールは、化粧品や洗剤、医薬品などの防腐剤として使用される成分です。
化粧品は防腐剤を使用せず製造も可能
防腐剤は製品の品質を保つために必要不可欠ではありますが、健康への影響が懸念されている側面もあります。
防腐剤を使用せずに化粧品を製造することも可能ですが、前述の通り製品の品質を保つことは難しくなります。
ここでは、防腐剤を使用しない製造方法について紹介します。
形状や製造工程が複雑になる
例えば、使い切りの容器に小分けに封入すれば、開封後の品質の劣化が発生しない状況を作ることができます。
使い切りサイズの化粧水、1枚ずつ袋詰されているフェイスマスクなど、長期間保管して使わないパッケージに仕上げることで防腐剤の使用を抑えることが可能です。
ただ、小分けにすると封入工程が複雑になったり特殊な容器への対応など、追加の対応も必要になってくるので、加工賃・パッケージ制作費用などが増えてしまい、製造スケジュールも長くなってしまいます。
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実際に製造する前に、見積もり等で忘れずに確認をしましょう。
形状自体を変えることで対応できる場合も
近年では、水分を多く使った商品がSDG`s(持続可能な開発目標)に沿わないという意見も生まれてきており、新しい商品の形が求められてきています。
たとえば、液体シャンプーは水分を多く含みプラスチック容器に入れ販売されています。水分が含まれているため防腐剤が必要です。
シャンプーは液体というイメージも強いですが、固形のシャンプーを製造することができます。固形であれば、防腐剤をしなくても商品を製造することができます。
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すべての商品が固形で製造できるわけではありませんが、防腐剤を使用しない製品づくりの対応策の一つとして検討してください。
防腐剤を使い製造する際の注意点
化粧品を製造する際には、適切な防腐剤を使用するようメーカーや工場に依頼を出すことが大事です。もちろん制限を超えない量で配合・製造を行いますので、入れすぎる事態は起きることはありません。
「不使用」を希望する場合にはその旨をしっかりと伝え、リスク、メリット・デメリットを情報収集して製造前の確認をしっかりと行いましょう。
商品を使われる方の健康と安全を考慮し、製造費用・スケジュールのバランスを見ながら検討することを心がけましょう。
化粧品に使用するの防腐剤についてのまとめ
必ずしも防腐剤が悪いわけでは有りません。化粧品の製造においては、防腐剤の使用が欠かせない要素であることがお分かりいただけたかと思います。
品質を追求する一方で安全性も確保するために、適切に防腐剤の使用を選択するしなければいけません。
使用していないから良いのではなく、利用される方にとってどれくらいの影響や心配があるかを把握し、使用・不使用を選択することが重要です。
SUNAO製薬では化粧品のOEM製造をお受けしております。製造をご検討の場合にはお気軽にお問い合わせください。