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「バルク」とは? サプリメント製造の専門用語解説

バルクとは、一般的には「大きさ、容量、容積、かさ」「多量、大量、まとまった」という意味で使われる単語です。
サプリメントの製造でも「バルク」の単語がよく使用されますが、この場合は別の意味で使われています。
この記事では、サプリメント製造での「バルク」がどの様な意味で使用されているのかを解説します。
また、バルク製造が採用される場面と、バルク製造した場合のメリット・デメリットについても説明します。
これから商品の製造を検討している方はこの記事を参考にしてください。
SUNAO製薬では、サプリメントのOEMをお受けしております。製造をご計画中の方はお問い合わせください。
目次
サプリメント製造における「バルク」とは
サプリメントの製造で使用される「バルク」とは最終製品化する前の中身の事を指します。
粉末やカプセル、打錠など形状は問わず、中身は全て「バルク」と呼びます。
例えば、納品形態を「バルクで」と伝えると、袋や瓶などの小包装用の資材には充填せず、中身だけ大きな袋や容器にまとめた状態で納品する事と受け取られます。
他業界での「バルク」の意味
バルク(bulk)の語源は、ゲルマン祖語の「ブルクォ」が由来となっています。
「ブルクォ」が船の積み荷を意味する「ブルキキ」に変化し、最終的に「バルク」となりました。
「バルク」の単語はサプリメントの製造以外にも、物流、アパレル、化粧品、化学、ボディビルなど、幅広い分野で使われています。
業界毎に「バルク」がどの様な意味を指しているのか説明します。
物流分野での意味
粉末や粒体(小麦や石灰等)を個別に梱包する事なく、もしくは簡易的な包装の状態で運ばれる事を意味します。
バルク輸送と呼ばれています。個包装しないという点ではサプリメント製造のバルクと似ています。
例として、CD・DVDプレスにおけるバルクとは、ケースが含まれず、ディスクのみの制作・納品の事を言います。
ワインの様な液体のバルク輸送は、瓶などに充填せずにタンクにまとめた状態での輸送になります。
アパレル分野での意味
「本生産」や「大量一括生産」の事を意味します。
この生産方法は、商品を一度に大量に製造する事で、費用を抑え効率的に市場に流通させる事を目的とした生産方法です。
対義語にあたるのは「サンプル」「着分(1着分)」になります。
化粧品分野での意味
容器に充填する前の、原材料を混ぜ合わせて完成した中身の事を指します。
サプリメント分野のバルクと似た使い方をします。
商品を作る過程で、中身の仕様を決める時に「バルクの粘度」「バルクと容器の相性」など頻繁に使われています。
化学分野での意味
物質の界面に触れていない内部の事、または物質の大部分を占める部分の事を指します。
主に界面化学や物性物理の分野で使用されています。
ボディビル用語での意味
筋肉の厚みや量、大きさの事を意味します。
「バルクアップ」という言葉も使われますが、これはトレーニングにより筋肉を発達させて体を大きくしていく事を指します。
バルクでサプリメントを作るシチュエーション
サプリメントの分野でバルク製造するシチュエーションは、例えば充填は自前で行う為中身だけ製造して納品して欲しい場合や、充填費用を抑える為に中身の製造工場よりもコストの低い委託先で充填する場合、商品の原料の一部として使用する為にパッケージが不要である場合などがあります。
ただし、自前で充填を行う場合、容器やアルミ袋などへの充填は許可を取得している施設で行う事が義務付けられている為、安易にバルク製造を選択することはやめましょう。
バルクで作るメリット
費用面でのメリットもあるので、バルク納品でも問題ない場合はおすすめです。
ここではバルク製造する場合のメリットについて紹介します。
包装資材が必要ないので費用が安い
バルクのままでの販売はできませんが、例えば粉末プロテインを水に溶かして提供するなどのその場で提供して消費する販売の場合は、バルク納品にする事で包装資材分の費用を抑える事ができます。
製造先の負荷を分散できる
バルクで納品したり充填は別工場にする事で、製造先の負荷を分散する事ができます。
工場によっては充填できる量が少なかったり、充填に手作業の工程が多い場合、一つの工場だけで製造すると負荷が大きくなります。
バルクで製造するデメリット
バルク製造する場合のデメリットを紹介します。
主に品質に関わる内容ですのでしっかり確認しておきましょう。
そのままの販売はできない
サプリメントとして販売する場合は、品質が担保される容器に入れて、パッケージには法律で決められた表記をする事が義務付けられています。
バルクは中身だけの製造なので、商品として販売するためには包装しなければいけません。
包装資材の手配や栄養成分を記載したラベルや資材が必要です。
記載したラベルや資材が必要です
品質管理が大変になる
バルクで製造納品した場合、保存状態には注意が必要です。
粉末は吸湿しやすいので湿気が入らないように管理が必要です。
他にも、カプセルは溶解しないように、液体は酸化や変色しないよう対策が必要になります。
品質を保ったままの保管ができる環境があるかを事前に確認してから納品形態を決めると良いでしょう。
保管場所の確保が必要
保管場所がない場合は確保しなければいけません。
保管できればどこでも良いわけではなく、温度や湿度などの環境が整っており品質を保った状態で保管できる場所を準備しなければいけません。
作る量にもよりますが、大量に製造した場合はそれなりの量になります。
SUNAO製薬では、最低でも粉末で60kg、打錠で30kg、カプセルで5万粒の製造量になります。
保管場所のレンタル費用もかかるので、コストの面も踏まえて判断しましょう。
サプリメント、健康食品のバルクまとめ
サプリメント製造におけるバルクとは、商品を個包装する前の中身の事を指します。
商品をバルク製造する場合、包装に関わる費用を抑える事はできますが、品質を保った状態で保管できる設備が必要になる為注意が必要です。
商品作りをスムーズに行う為にも、バルクなどの頻繁に使われる用語は覚えておくと良いでしょう。
SUNAO製薬ではサプリメントのOEM製造をお受けしております。製造をご計画中の方はご相談ください。