シクロデキストリン
製造に使用できる原料
糖質の多い食事と摂る、食後の糖質ケア原料「シクロデキストリン」
シクロデキストリンは、デンプンを酵素分解して得られる、ブドウ糖が輪状につながった環状オリゴ糖です。
代表例にα-シクロデキストリン(6個結合)・β-シクロデキストリン(7個)・γ-シクロデキストリン(8個)があります。
水に溶けにくい成分を包み込む性質があり、サプリメント・健康食品と化粧品の両方で使われる原料です。
サプリメントでは主にα-シクロデキストリンが主流で、ごはん・パンなどの食事と一緒に摂る食後の糖質ケア商品として流通しています。
血中小型LDLの減少を機能性表示する届出事例もあります。
粉末やチュアブル錠など味を感じやすいサプリでは、苦味成分のマスキング(苦みをやわらげること)にも使われます。
化粧品では、化粧水・美容液などの水性処方に油溶性成分を載せる可溶化や、有効成分の劣化抑制といった処方用途で配合されます。
企画段階で、サプリでは食事とセットで摂る設計にするか・どの機能性表示を狙うか、化粧品では溶解性と安定性のどちらを重視するかを先に決めておくと、原料選定と試作がぶれにくくなります。
シクロデキストリンに期待される効果
サプリメントで期待される効果
食後血糖上昇の抑制
α-シクロデキストリンは、デンプン由来の難消化性成分で、食後の血糖上昇を抑えるという報告があります。
仕組みとしては、デンプンを分解する酵素(膵アミラーゼ)の働きを抑え、糖の吸収を遅らせることが報告されており、インスリン分泌を大きく増やさずに食後血糖が上がりにくくなる可能性が示唆されています。
健康な男性を対象としたヒト試験では、白パン(デンプン50g相当)と一緒にα-シクロデキストリン10gを摂取した場合、食後の血糖・インスリンの上昇が抑えられたと報告されています。
複数の試験結果をまとめた報告でも、炭水化物を含む食事と一緒にα-シクロデキストリンを摂取した場合の食後血糖上昇の抑制が示されています。
参考文献:Helmut Grunberger他、Alpha-Cyclodextrin Attenuates the Glycemic and Insulinemic Impact of White Bread in Healthy Male Volunteers
参考文献:Knut M Wittkowski他、The Effect of Alpha-Cyclodextrin on Postprandial Glucose Excursions: a Systematic Meta-Analysis
血中小型LDLの減少
LDLコレステロールには、粒子の大きさの違いがあり、大型LDLと小型LDLに分けて考えることがあります。
特に小型LDLは、血管壁に入り込みやすく動脈硬化と関連しやすいとされる一方、健康診断のLDL数値だけでは見えにくい指標です。
健康な成人を対象としたヒト試験では、α-シクロデキストリン6g/日を12〜14週間経口摂取した群で、血中の小型LDL粒子数が比較した群より約10%低い値を示したと報告されています。
一方で、総コレステロールやLDLコレステロール全体では明確な差はみられず、血糖値がやや高めの成人を対象とした6ヶ月の試験でも、総コレステロールの改善は示されませんでした。
機能性表示食品では、小型LDLを減らすことを機能性関与成分として受理された届出事例もあります(1日6g程度の設計が案内されている事例あり)。
参考文献:Michael J Amar他、Randomized double blind clinical trial on the effect of oral α-cyclodextrin on serum lipids
苦味・不快な味のマスキング
シクロデキストリンは、苦味のある成分を包み込むことで、口の中での苦味を和らげる(マスキングする)報告があります。
論文では、舌下錠・咀嚼錠・チュアブル剤など、口中で溶ける形状での応用が述べられており、他の苦味成分と併用するサプリメントの処方設計で検討されることがあります。
参考文献:József Szejtli、Elimination of bitter, disgusting tastes of drugs and foods by cyclodextrins
化粧品で期待される効果
油溶性成分の溶解性向上
シクロデキストリンは、水に溶けにくい有効成分や香料を包み込む性質があり、水に溶けやすくする(可溶化する)原料として知られています。
化粧品では、セラムや化粧水、乳液などの水性処方に、油溶性のビタミンやエキスを載せる用途で配合されます。
水溶性を高めたヒドロキシプロピルシクロデキストリンなどの誘導体(使いやすく改良したもの)は、さらに溶解性を高めたい処方で使われることがあります。
参考文献:Marcus E Brewster他、Cyclodextrins as pharmaceutical solubilizers
有効成分の劣化の抑制
シクロデキストリンは、有効成分を包み込むことで、光・熱・酸化などによる劣化を抑え、化粧品処方の安定性を高める報告があります。
論文では、化粧水・美容液・クリームなどで、油溶性の有効成分やビタミン類の品質維持に応用されることが述べられています。
参考文献:Irene Conesa他、Cyclodextrin Applications in the Cosmetic Industry: A Review
一日推奨摂取量
シクロデキストリンについて、厚生労働省の食事摂取基準に「1日○g」と定められた公的な摂取基準はありません。
化粧品表示名称
Cyclodextrin(シクロデキストリン)
Hydroxypropyl Cyclodextrin(ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)
シクロデキストリンでサプリメント・健康食品や化粧品を製造する場合
シクロデキストリンで設計しやすいのは、糖質の多い食事とセットで摂る習慣商品です。
「ランチ前に1包」の食後糖質ケア、ごはん・パンとセットの食事サポート、小型LDL訴求など、軸を1本に絞ると商品コンセプトが決まります。
「血糖値が気になる方へ」「糖質が気になる方へ」といった切り口の広い定番訴求をそのまま流用すると、シクロデキストリンの「食事とセットで摂る」という設計の強みがぼやけます。
どんな食事と一緒に摂るかを商品名や説明に落とし込むと、シクロデキストリン独自の食後糖質ケアの訴求が顧客に届きやすくなります。
粉末・カプセル・チュアブル錠が形状の定番です。
苦味成分が配合されるサプリでは、マスキング目的でシクロデキストリンが使われることもあります。
粉末は湿気を吸いやすいため、個包装や乾燥剤など、充填・保管の設計に工夫が必要です。
化粧品では、水に溶けにくいビタミンA誘導体や植物エキスを、化粧水・美容液・セラムなどの水性処方に載せたい企画と相性がよい原料です。
配合では、成分の可溶化や光・酸化への劣化抑制のために使われることがあります。
有効成分の訴求はそのままに、水性処方で企画を形にするための設計材料として検討できます。
溶解性をさらに高めたい処方では、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンなどのシクロデキストリンの誘導体も候補に入れられます。
シクロデキストリンを使ったサプリメント・健康食品や化粧品の製造をご検討の場合は、お問い合わせよりお気軽にご相談ください。
本ページに記載されている内容は、健康食品・化粧品などの製造を検討されている方を対象として掲載しております。一般の方への提供を目的した情報掲載ではございません。
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