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貧血を予防する鉄分の多い食品
貧血と聞いて思い浮かぶ体の状態として、「立ちくらみ」が一般的ですが、他にも「疲れやすい」、「息切れしやすい」、「目の下にクマができる」、「爪が割れやすい」など、他にも様々な不調が現れます。
特に女性は貧血になりやすく、月経の際には血液が大量に失われるため、より不調が現れやすくなります。
今回は貧血を食事で改善したいという方に貧血に良いもの、悪いものをご案内いたします。
それでも解決できない場合は、食事以外に原因がある場合がありますので、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。
貧血の主な原因は鉄分不足
貧血は赤血球の大部分を占める酸素の運び屋、ヘモグロビン(血色素)が減少し、体内が酸欠状態になることにより起こります。
ヘモグロビンは鉄を含むヘムと、たんぱく質のグロビンから構成されるため、体内の鉄が不足すると、ヘモグロビンが作られず酸素も運ばれる量が少なくなってしまうのです。
つまり、鉄の不足は貧血の大きな要因の一つです。鉄不足による貧血を「鉄欠乏性貧血」と呼びます。
他にも、貧血の要因として過剰な出血や、血液を作る機能が低下する病気、赤血球を破壊する病気などがありますので、症状が深刻な場合や、長期間に及ぶ場合は早めに病院へ行きましょう。
年齢・性別 推奨摂取量一覧
年齢、性別ごとの鉄の一日当たりの推奨摂取量は下記のとおりです。
鉄の一日当たりの推奨摂取量
男性【mg/日】 | 女性【mg/日】 | ||
---|---|---|---|
月経なし | 月経あり | ||
1~2歳 | 4.5 | 4.5 | ー |
3~5歳 | 5.5 | 5.5 | ー |
6~7歳 | 5.5 | 5.5 | ー |
8~9歳 | 7.0 | 7.5 | ー |
10~11歳 | 8.5 | 8.5 | 12.0 |
12~14歳 | 10.0 | 8.5 | 12.0 |
15~17歳 | 10.0 | 7.0 | 10.5 |
18~29歳 | 7.5 | 6.5 | 10.5 |
30~49歳 | 7.5 | 6.5 | 10.5 |
50~64歳 | 7.5 | 6.5 | 11.0 |
65~74歳 | 7.5 | 6.0 | ー |
75歳以上 | 7.0 | 6.0 | ー |
参照:厚生労働省『日本人の食事摂取基準 2020 年版』
鉄分の推奨摂取量は成人するまでは年齢に合わせて少しずつ増えます。
身体の成長が著しい成長期は、体が大きくなることに伴って血液量が増大するため、必要となる鉄の量も増えていくのです。
乳幼児の鉄分摂取量
乳幼児期は人生で最も成長する時期です。生まれてから1年半で身長は約1.5倍、体重は約3倍にもなります。その成長のために鉄は必要不可欠な成分です。
特に生後6か月頃を過ぎると母体からもらった鉄が底をついてしまうため、口から鉄を摂取しないといけません。
しかし、母乳ばかり飲んでいる、離乳食をあまり食べてくれない、など様々な理由で鉄は不足しがちです。
乳幼児に鉄が満足に補給されないと、夜泣きや癇癪の原因になるとも言われています。
乳幼児の鉄の一日当たりの推奨摂取量は下記のとおりです。
乳幼児の一日当たりの鉄の推奨摂取量
男性【mg/日】 | 女性【mg/日】 | |
---|---|---|
0~5か月 | 0.5(目安量) | 0.5(目安量) |
6~11か月 | 5.0 | 4.5 |
参照:厚生労働省『日本人の食事摂取基準 2020 年版』
鉄が多く含まれることで知られているほうれん草の鉄の含有量は100g中2.0mgです。
つまり、ほうれん草だけで4.5mg摂ろうとするとほうれん草が225gも必要です。いかに離乳食で鉄の補給が難しいことが分かります。
鉄の含有量が多い食品については鉄分が多く含まれる食品を参照してください。
妊娠中・授乳期の女性の鉄分摂取量
妊娠中は、母体だけでなく、胎児にも酸素を運ばなければならないため、血液量が1.5倍になり、必要な鉄の量も増加します。
また、出産で血液を失ったり、授乳によって母乳に含まれる鉄が失われ、産後も鉄不足に陥りがちです。
そのため、妊娠中及び授乳期にはそれぞれの鉄の推奨摂取量に対する付加量(プラスしてほしい摂取量)が設定されています。
妊娠期・授乳期の鉄の推奨付加量
状態 | 付加量【mg/日】 | 18~49歳の場合の合計値 (推奨摂取量+付加量)【mg/日】 |
---|---|---|
妊娠初期 | + 2.5 | 9.0 |
妊娠中期・後期 | + 9.5 | 16.0 |
授乳期 | + 2.5 | 9.0 |
参照:厚生労働省『日本人の食事摂取基準 2020 年版』
これは前述した、年齢・性別ごとの一日当たりの鉄の推奨摂取量に加えて、妊娠期・授乳期は追加したい鉄の量です。
18~49歳の妊娠中期・後期の女性であれば推奨摂取量は1日当たり16mgにもなります。
鉄分の過剰摂取により引き起こされる症状
通常の食事で鉄分が過剰になることはほとんどありませんが、サプリメントやお薬の過剰摂取によって健康障害を起こす場合もあります。
鉄を日常的に過剰摂取すると、内臓に鉄が蓄積され、内臓の機能に障害を起こしたり、糖尿病などの合併症を起こす可能性が高まります。
下記が各年齢ごとの耐容上限量(健康障害を起こすことが無いとみなされる摂取量の上限)です。
鉄の一日当たりの耐容上限量
年齢 | 男性【mg/日】 | 女性【mg/日】 |
---|---|---|
1~2歳 | 25 | 20 |
3~5歳 | 25 | 25 |
6~7歳 | 30 | 30 |
8~11歳 | 35 | 35 |
12~14歳 | 40 | 40 |
15歳以上 | 50 | 50 |
参照:厚生労働省『日本人の食事摂取基準 2020 年版』
サプリメントを利用している方は、普段口にしているマルチミネラルや、マルチビタミン等を含むサプリメントの鉄分量を確認するようにしてください。
また、大人用の鉄分配合のサプリメントを誤ってお子さんが食べてしまい、鉄中毒が発生する事案が多くあります。
重度の鉄中毒の場合、臓器障害を起こしたり、最悪の場合は死に至る可能性もありますので、サプリメントやお薬はお子様の手の届かないところに保管するようにしてください。
鉄分は食事で摂取
酸素を運ぶ赤血球に必要な栄養は鉄だけではありません。ビタミンAやビタミンB12、葉酸、ビタミンE、タンパク質、銅、亜鉛など様々な栄養が必要です。
そのため、貧血が疑われる方は、鉄はもちろん、他の栄養バランスを考えた食事を心がけることが重要です。
鉄が多く含まれる食品
食品に含まれる鉄は、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄と、動物性食品に多く含まれるヘム鉄に分けられます。
ヘム鉄は吸収阻害の影響を受けにくい構造をしており、非ヘム鉄よりも吸収率がいいのが特徴です。ヘム鉄は非ヘム鉄と比べて吸収率が5~6倍高いという報告があります。
ここでは、植物性・動物性の鉄が多く含まれる食品を紹介します。
植物性の食品
植物性で鉄が多く含まれる食品です。非ヘム鉄を含みます。
食品名 | 100gに含まれる鉄の量【mg】 |
---|---|
豆乳 | 1.2 |
納豆 | 3.3 |
小松菜(葉・生) | 2.8 |
ほうれん草(葉・生) | 2.0 |
ひじき(ゆで) | 0.3 |
焼き海苔 | 11.4 |
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
鉄が多く含まれていることで知られているほうれん草よりも、納豆の方が多く含まれていることが分かります。
また、ほうれん草は茹でて食べることが一般的ですが、茹でることで鉄が約半分も減ってしまうため、鉄分補給を目的として食べるには効率の良い野菜ではないかもしれません。
動物性の食品
動物性で鉄が多く含まれる食品です。吸収率の高いヘム鉄を含みます。
食品名 | 100gに含まれる鉄の量 |
---|---|
豚レバー | 13.0 |
鶏レバー | 9.0 |
かつお | 1.9 |
牛肉(ヒレ) | 2.5 |
しじみ | 8.3 |
きはだまぐろ | 2.0 |
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
豚レバーや鶏レバーは鉄を多く含みますが、臭いを取るために牛乳に漬けるなどの下処理が必要だったり、レシピがあまり無かったりと敬遠されることが多い食品です。
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鉄の吸収をサポートする成分
鉄には、一緒に摂ることで吸収率をアップさせる成分があります。
ビタミンC
ビタミンCは、鉄と一緒に摂取することで、鉄を吸収されやすい状態にしてくれます。
ビタミンCはパプリカやキウイフルーツ、キャベツ、ブロッコリーなどに多く含まれています。
梅干しなどに含まれるクエン酸にも同じような効果があるとされています。
たんぱく質
たんぱく質は、鉄と結びついて、吸収率をアップさせてくれます。また、たんぱく質は血液を作り出すために必要な栄養素の一つです。
鶏や豚のレバーは、たんぱく質と鉄を同時に摂れる非常に優秀な食品です。
貧血時に避けたほうが良い食べ物
コーヒーや緑茶に含まれるタンニンや、豆類や玄米などに含まれるフィチン酸は鉄の吸収を阻害してしまうため、過剰摂取を避け、食事とタイミングをずらして口にするといいでしょう。
また、玄米やおからなどに含まれる不溶性食物繊維も鉄を一緒に排出してしまうため、多く摂らないよう心掛けてください。
貧血を予防する食品のまとめ
顔色が悪かったり、爪が割れやすくなったなど、軽い貧血を感じたらまずは食事を見直してみてください。ダイエットをしている場合は、体調が回復するまでは中断しましょう。
そして1日3食、鉄の多い食品を使用したバランスよい食事を摂りましょう。
重度の貧血の場合や、妊娠中、授乳中、妊活中の場合はかかりつけのお医者さんに相談するようにしてください。