OEM(受託製造)コラム
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機能性ハードカプセルの選び方|腸溶・低水分・徐放性とOEMで伝える条件

まず要点だけ知りたい方へ、1クリックでこの記事をAI要約できます
ハードカプセルには、中身を充填するだけの通常仕様のほか、放出や保存の働きを変えた機能性のものがあります。
腸溶性(耐酸性)、低水分、徐放性(タイムリリース)、遮光・着色など、名称だけ聞いてもイメージしづらい種類が多いのが実情です。
この記事では、機能性ハードカプセルの種類と働きを整理します。
皮膜材質(ゼラチン・HPMC・プルラン)の選び方は、別記事「ハードカプセル材質の選び方」で解説しています。
サイズや全体の設計順序は、別記事「ハードカプセルOEMの注意点|サイズ・材質・機能性・相性の判断ステップ」も参照してください。
原料や機能性がまだ決まっていなくても、「通常のハードカプセルで足りるか」をOEMに確認することも可能ですので、お気軽にご相談ください。
目次
機能性ハードカプセルとは|通常仕様との違い

通常のハードカプセル(ゼラチンや通常のHPMC)は、中身を包み、胃のなかで溶けて放出する標準仕様です。
機能性ハードカプセルは、中身の放出タイミングや皮膜の性質を変えたカプセルです。
腸溶性(耐酸性)・低水分・徐放性(タイムリリース)・遮光・着色が代表例で、胃で溶けるか、腸で溶けるか、湿気や光から守るかといった設計が分かれます。
腸溶や徐放では、腸溶性用に加工した皮膜素材の採用、成形後のコーティング、素材の配合など、標準仕様とは異なる加工を伴うことがあります。
まず「何を実現したいか」をOEMに伝えることが出発点です。
代表的な機能性ハードカプセルの種類

健康食品OEMで名前が出やすい機能性は、次のとおりです。
カスタム仕様に該当しやすいのは、腸溶性(耐酸性)・徐放性(タイムリリース)・遮光・着色です。
低水分は、湿気を抑えやすいHPMCなど、皮膜の素材選びに近い機能として扱われることが多いです。
| 機能 | カプセルの働き |
|---|---|
| 腸溶性(耐酸性) | 胃で溶けにくく、腸での放出を狙う |
| 徐放性(タイムリリース) | 成分の溶出を時間でコントロールする |
| 低水分 | 皮膜の水分・吸湿を抑え、中身の品質変化を抑える |
| 遮光・着色 | 光による成分劣化を抑える |
候補に入れる条件は、後半「本当に必要なときだけ採用する」で整理します。
腸溶・低水分が中心になりやすく、徐放性(タイムリリース)は健康食品では採用例が限定的です。
酸化対策(酸素を通しにくい皮膜)は、プルランの特徴として材質の別記事で整理しています。
皮膜の素材選びの話になるため、上記の機能性とは切り口を分けています。
腸溶性(耐酸性)ハードカプセル|胃を通過し、腸での放出を狙う
腸溶性(耐酸性)とは、胃では溶けにくく、腸で溶けて中身が出るカプセルです。
通常のカプセルは胃で溶けます。
「乳酸菌やビフィズス菌を腸へ届けたい」「胃酸に弱い原料を守りたい」といったときに候補に入ります。
主な作り方は、次の3パターンです。
酸修飾した皮膜素材でカプセル自体を作る(HPMCP/HPMCAS)
HPMC(植物由来の皮膜)にフタル酸やコハク酸などを加えて加工する「酸修飾」により、胃の酸性では溶けにくく、腸の環境で溶ける素材にします。
ヒプロメロースフタル酸エステル(HPMCP)やヒプロメロース酢酸コハク酸エステル(HPMCAS)などが代表例で、この素材でカプセルそのものを成形します。
成形後のカプセル表面にコーティングする
できあがったカプセルの表面に、メタクリル酸コポリマーや天然樹脂のシェラックを薄くスプレーし、胃を通過してから溶けるように耐酸性を付加します。
皮膜素材を配合して胃酸の浸入を抑える
植物由来のHPMCにゲランガム(天然の多糖類)などを混ぜ、カプセルの構造を緻密にして胃酸が入りにくくする方式です。
HPMCとゲランガムなどの配合比率を調整した腸溶性カプセルも、調達先によっては選択肢に入ります。
「腸まで届けたい」という目的と、中身の原料名を伝えれば、OEMが候補を提案できます。
徐放性(タイムリリース)ハードカプセル|溶出をゆるやかにする
徐放性(タイムリリース)とは、飲んでから時間をかけて、中身をじわじわ放出するカプセルです。
通常のカプセルは、飲み込んでから比較的早く中身が溶け出します。
「すぐに溶け出すのではなく、持続的に吸収させたい」設計のときに限り、候補に入れます。
「ビタミンを体内で長持ちさせたい」という訴求だけでは、必ずしも徐放性が必要とは限りません。
主な作り方は、次の2パターンです。
高粘度の皮膜素材でカプセル自体を作る
カプセルの皮膜そのものを、溶け出しにくい素材で作る方式です。
通常のHPMCより分子量が大きい「高粘度グレード」のHPMCを用います。
飲み込んで皮膜が水を含むと、表面にとろみのあるゲル状の層ができます。
この層が水の浸入と中身の溶出をゆっくりにし、時間をかけて成分が出る(タイムリリース)設計になります。
水に溶けにくい膜でコーティングする
カプセル表面、または充填前の顆粒の表面に、エチルセルロースなど水に溶けにくい膜を塗ります。
成分が一気に溶け出さないよう、溶出速度を遅らせます。
健康食品OEMでは採用例が少なく、要件とコストをOEMとすり合わせて判断します。
「持続的に吸収させたい」という意図と、中身の原料名を伝えれば、OEMが候補を提案できます。
低水分ハードカプセル|吸湿原料・保存中の品質を守る
低水分ハードカプセルは、皮膜の水分や吸湿性を抑え、中身の品質変化を抑える設計です。
腸溶や徐放のような「後から加工する特別仕様」というより、湿気を抑えやすいHPMCなどの皮膜を選ぶことで実現することが多いです。
「湿気に弱い成分のサラサラ感をキープしたい」「保存中の安定性が課題」といったときに候補に入れやすいです。
皮膜材質との組み合わせは、別記事「ハードカプセル材質の選び方」もあわせて確認してください。
原料の性質がまだ整理できていなくても、「保存中に固まりやすい」「品質を保ちたい」などの不安があれば、OEMに相談できます。
低水分が必要かどうかも含めて、候補を一緒に整理してもらえます。
遮光・着色ハードカプセル|光による成分劣化を抑える
遮光・着色とは、紫外線などの光で分解しやすいビタミン類などを守るためのカプセルです。
通常の透明なカプセルは光が通りやすく、保存中や陳列中に成分が劣化しやすくなることがあります。
ビタミンB群やビタミンCなど、光に弱い原料を扱うときは候補に入れやすいです。
遮光・着色は、着色の要望がある場合や、光で劣化しやすい原料を使う必要がある場合に検討します。
着色の要望がある場合は、あらかじめ伝えてもらって構いません。
要望がなくても、原料の特性上必要であれば、OEMメーカーから遮光・着色が提案されることが多いです。
主な作り方は、次のとおりです。
遮光材・色素を皮膜に混ぜて成形する
皮膜素材に酸化チタン(光を反射・吸収する遮光材)や天然クチナシ色素などを混ぜて成形します。
光が皮膜を通りにくくなり、中身の劣化を抑えます。
色素は遮光とあわせて、カプセルの見た目の訴求にも使われます。
本当に必要なときだけ採用する|条件から絞り込む

機能性ハードカプセルは原価が上がりやすく、サプリメント・健康食品のOEMでは通常カプセルが標準です。
ターゲットへの価値や原料特性に直結するときは、次の条件で候補を絞り込みます。
- 特別な条件がなければ:通常カプセル
- 胃酸の影響を避けたい・腸での放出を訴求する:腸溶性(耐酸性)
- すぐに溶け出さず、持続的に吸収させたい:徐放性(タイムリリース)カプセル(採用例は少ない)
- 吸湿・保存中の品質が課題:低水分(皮膜は「ハードカプセル材質の選び方」とセットで検討)
- 光による劣化が課題:遮光・着色
- 酸化しやすい成分の劣化が課題:プルラン(酸素を通しにくい皮膜)(別記事「ハードカプセル材質の選び方」参照)
1つの商品で複数の課題がある場合(乳酸菌で胃酸・吸湿の両方が心配、など)は、OEMメーカーと最適な種類を整理してください。
機能性ハードカプセルの比較表

以下は、それぞれの機能が選ばれる条件と、カスタムの例・コスト・試作の目安をまとめています。
| 仕様 | 選ばれる条件 | カスタムの例 | コスト・試作 |
|---|---|---|---|
| 通常 | 機能性がターゲット価値・原料特性に直結しない | 標準のゼラチン・HPMC | 一般に取り組みやすい |
| 腸溶性(耐酸性) | 胃酸の影響を避け、腸での放出を訴求する | 酸修飾(HPMCP/HPMCAS)、コーティング(メタクリル酸コポリマー・シェラック)、素材配合(ゲランガムなど) | 通常より高くなりやすい |
| 徐放性(タイムリリース) | すぐに溶け出さず、持続的な吸収・溶出を狙う | 高粘度HPMC、エチルセルロースコーティング | 通常より高くなりやすい |
| 低水分 | 湿気に弱い原料、保存中の品質維持 | 湿気を抑えやすいHPMCなど | 通常より高くなりやすい |
| 遮光・着色 | 光に弱い成分の劣化を抑えたい | 遮光材・色素を皮膜に混ぜる | 表示・仕様次第 |
通常から機能性へ進むほど、原価と試作の条件は複雑になりやすいです。
1粒単価は、機能性のほかにロット数・号数・充填量・包装でも変わります。
1日の粒数・飲みやすさを優先するなら、機能追加より号数・サイズを先に検討します。
腸溶・低水分・徐放性(タイムリリース)・遮光を足すと、最小ロット・リードタイム・評価項目も変わることがあります。
表だけで決めず、想定販売価格と許容原価の範囲で、候補ごとの差を見積もりで確認してください。
原料名や機能性が未定でも、「通常で足りるか知りたい」だけで初回相談は始められます。
機能性設計の相談前に伝える項目|OEMへの確認事項

相談・見積もりでは、ターゲット・原料・訴求の条件に応じて、通常か機能性かをOEMが選択・提案します。
原料や機能性が未定のときは、次のような一文からで構いません。
「健康食品OEM希望/ターゲット:○○/原料・機能性:未定/通常カプセルで足りるか知りたい」
次の項目を書き出しておくと、初回から機能候補の比較や見積もりのすり合わせが具体化しやすくなります。
- 通常カプセルで進められるか、機能性が必要か(未定でも可)
- 必須機能と任意機能
- 候補にしている機能(なし/腸溶性(耐酸性)/徐放性(タイムリリース)/低水分/遮光・着色)
- ターゲットと摂取シーン、訴求したい届け方・保存の課題
- 原料名・形態、胃酸・吸湿・安定性の懸念
- 優先したい価値(標準運用、訴求、許容原価の目安)
記入例:「乳酸菌サプリを作りたい/腸まで届けられる設計にしたい」「保存中に固まりやすい原料を使いたいけど、品質を保ちたい」など。
剤形や機能性の種類まで指定しなくても、OEMが候補に整理します。
機能性が未定でも、通常で足りるかの見立てと、ターゲットの概要が書けていれば、相談は始められます。
機能性設計でよくある失敗と回避

機能性の選定では、売り文句目的の過剰仕様、腸溶の必須未確認、必須と任意の混同、低水分と皮膜・保管条件の切り離しなどが、試作や販売準備の手戻りにつながりやすいです。
ここでは、よくあるパターンと、選定前・相談前にできる回避策を整理します。
売り文句のためだけに、機能性を足してしまう
ターゲット価値や原料特性に直結しない機能を足すと、原価と試作難易度だけが上がりやすいです。
まず通常で足りるかを整理し、機能性の追加が必須かどうかをOEMメーカーと確認してください。
腸溶が必須か未確認のまま、腸溶固定で進めてしまう
通常カプセルで足りる設計にもかかわらず、腸溶固定で進めてしまうパターンです。
試作やコストが膨らみやすくなります。
腸溶を候補にする前に、「通常で足りるか」をOEMと確認してください。
低水分が必要なのに、皮膜・保管条件まで含めず進めてしまう
中身が湿気を吸いやすいから「低水分カプセルにしたい」とだけ伝え、皮膜の種類や包装・保管の条件はあとで決める、という進め方です。
低水分は、湿気を通しにくい皮膜(HPMCなど)を選ぶ設計に近く、カプセルひとつで完結しません。
皮膜やアルミ袋・乾燥剤の要否、倉庫や配送での湿度まで含めて設計しないと、試作や安定性試験の段階で固まりや品質低下が出ることがあります。
低水分を候補に入れたら、皮膜材質と保管・流通の条件もセットでOEMに伝えてください。
皮膜の詳細は、別記事「ハードカプセル材質の選び方」で確認できます。
機能性の整理ができたら|原料・皮膜・全体設計へ

機能性の候補は、相談のなかで絞り込んでも問題ありません。
次に確認するのは、原料とハードの相性、皮膜材質、全体の設計順です。
- 原料とハードの相性:処方・原料特性とハードカプセルの相性|OEMに伝える条件
- 皮膜材質:ハードカプセル材質の選び方
- 全体像・設計の順番:ハードカプセルOEMの注意点|サイズ・材質・機能性・相性の判断ステップ
SUNAO製薬では、ハードカプセルを含むサプリメント・健康食品のOEM製造を承っております。
希望の仕様が固まっていない場合でも、相談しながら進められますので、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。



