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パッケージの表記に注意!食品添加物の表記ルールが変わります。
「無添加」とパッケージに書かれている食品を目にした事が有ると思います。
「無添加」、「不使用」と書いてあると、「天然素材をつかっていて、なんだか安心して食べれるかも」と感じられる方もいらっしゃるかもしれせません。
ただし、添加物が一概に悪いものであると言い切ることは、実はできません。
そんな中、消費者庁より「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」が2022年3月に策定されました。これは「無添加」や「不使用」と表記するルールを明確にし、表記方法を定義しています。
この記事では、「無添加」表記のガイドラインが策定された背景と、表記の対策について解説しています。
SUNAO製薬では健康食品・サプリメントの製造をお受けしております。製造だけでなく、パッケージや表記確認なども合わせて対応させていただいておりますので、製造をご検討中の方はお気軽にお問い合わせください。
目次
食品添加物の不使用表示に関するガイドラインが策定
食品の不使用表示に関するガイドラインは、食品パッケージで使用される表示についてのルールとして消費者庁により策定されました。
本ガイドラインは、食品添加物の不使用表示に関して、消費者に誤認等を2 与えないよう留意が必要な具体的事項をまとめたものであり、食品添加物の不使用表示を一律に禁止するものではない。食品関連事業者等が、食品表示基準第9条に規定された表示禁止事項に当たるか否か自己点検を行う際に用いることができるものである。
引用:食品添加物の不使用表示に関するガイドライン |消費者庁
ガイドラインでは、「食品に特定の添加物を使っていない場合に限り、そのことを表示することができる」とされており、消費者に対して正確な情報を伝える目的のために作られました。
なお、ガイドラインは2年間の経過措置期間が設定されており、2024(令和6)年4月1日製造分より対応が必須になります。
ただ、現実的に使用していない添加物を列記すると、本来伝えたい情報が掲載できないなどの問題点も含んでいる状態です。
表記が禁止されたわけではありません
誤解が無いように伝えさせていただければ、「無添加」「不使用」と表現できないわけではなく、正しく伝わるように表記すれば使用することができます。
後述の「ガイドラインで禁止されている表記の例」を確認いただき、表記ができる範囲をご確認ください。
無添加の表記がルール化された背景
これまでの食品の無添加表示には、いくつか問題がありました。
例えば、無添加と書かれている商品でも、実際には添加物を使っている場合があり、消費者を混乱させたり、誤った情報に基づいた商品選びの誘発につながっていました。
また、商品価値を高める表現の中で無添加表示を使うことが増え、逆に「添加物の入っている食品は危ない」と消費者に誤認させる可能性も生まれてきました。
なので無添加表示のルールが変わり、代わりに特定の物質を明示するようガイドラインが策定されました。
ガイドラインで禁止されている表記の例
ガイドラインの中では、具体的な表示を10種類に分類して案内しています。
特に不使用・無添加のとの明確な説明ができない表記方法は禁止されています。
ここではガイドラインで定義されている10の分類と、その禁止されている表示例をまとめています。
類型 | 内容 | 禁止されている表記の例 |
---|---|---|
類型1 | 単なる「無添加」の表示 | 添加されていない対象を明示せず単に「無添加」とだけ表示をすること。 |
類型2 | 食品表示基準に規定されていない用語を使用した表示 | 「人工甘味料不使用」のように人工、合成、化学及び天然などの適切ではない言葉を使って無添加、不使用と表示すること。 |
類型3 | 食品添加物の使用が法令で認められていない食品への表示 | 本来、商品に対して使用してはいけないと法律で定められている原料を不使用と表示するなど。 |
類型4 | 同一機能・類似機能を持つ食品添加物を使用した食品への表示 | 賞味期限を伸ばすために保存料以外の食品添加物を使用した食品に、「保存料不使用」と表示すること。 |
類型5 | 同一機能・類似機能を持つ原材料を使用した食品への表示 | アミノ酸が含まれる原材料を使用した商品に、添加物として調味料不使用と表示するなど。 |
類型6 | 健康、安全と関連付ける表示 | 「健康に良い」や「安全である」ことの理由として無添加や不使用と表示すること。 |
類型7 | 健康、安全以外と関連付ける表示 | 美味しいしさの理由として、不使用や無添加と表記すること。 商品の開封に触れずに「保存料不使用なのでお早めにお召し上がりください」と表示すること。 商品が変色する可能性の理由として着色料不使用を表示すること。 |
類型8 | 食品添加物の使用が予期されていない食品への表示 | 一般的に添加物が使用されていない商品に無添加・不使用と表示すること。 |
類型9 | 加工助剤、キャリーオーバーとして使用されている(又は使用されていないことが確認できない)食品への表示 | 原材料の一部に保存料を使用しているのに、最終製品に「保存料不使用」と表示すること。 原材料の製造工程において食品添加物が使用されていないことが確認できないので、自社の製造工程に限って無添加と表記すること。 |
類型10 | 過度に強調された表示 | 多くの箇所に過剰に目立つ色で、〇〇を使用していない事を表示すること。 保存料、着色料以外の食品添加物を使用している食品に、大きく「無添加」と表示し、その側に小さく「保存料、着色料」と表示すること。 |
猶予期間(2024年4月)以降にこれらの類型に当てはまる表示がされた食品を販売した場合、食品表示基準違反として罰金などを課される可能性があります。
パッケージの切り替えの対応はできるだけ早く始める
ガイドラインの適用には猶予期間(2024(令和6)年3月末まで)が設けられていますが、猶予期間が終わるタイミングでパッケージを切り替えたほうが良いのでしょうか?
結論としては、できるだけ早く入れ替えておくべきです。
ガイドラインの移行期間の記載には、以下のように書かれています。
なお、この期間に製造・販売等された加工食品が見直し前の表示で流通することはやむを得ないと考えるが、2年に満たない間においても、可能な限り速やかに見直しを行うことが望ましい。
引用:食品添加物の不使用表示に関するガイドライン |消費者庁
移行措置として猶予期間内に製造した商品は「無添加」や「不使用」と表記されても違反とは判断されませんが、パッケージの入れ替えにはデザイン変更や印刷にも時間がかかります。
駆け込みで変更すると印刷のスケジュールが調整できなかったり、製造ラインの調整が難しくなる可能性があるので、猶予期間内に作り替えておきましょう。
食品添加物の表記ルール変更のまとめ
不使用表示のガイドラインの適用範囲は、容器包装に限られていますが、ネットショッピングが普及した現代では、広告表記や販売ページなどの表現も消費者の検討に影響を与えてしまいます。
包装容器と販促表現が異なっている場合、消費者の混乱をまねくことは容易に想像できます。
また、ガイドラインの適用範囲が今後拡大される可能性もないわけではありません。
禁止されている表示を確認し、すでに販売している商品の場合には早めにパッケージの切り替えを検討しましょう。これから製造する場合には、ガイドラインに沿った表記を対応しましょう。
包装容器に限らず、販促用の表現もガイドラインに対応した表現をし、消費者への誠実な対応を心がけるべきでしょう。
SUNAO製薬では、製造時の確認として薬機法への対応、食品添加物の不使用表示に関するガイドラインへ対応を行っております。
これから健康食品、サプリメントの製造・販売をご検討中の方はお気軽にお問い合わせください。