タウリン

エネルギーと生命力を支えるタウリン

タウリンは、アミノ酸に似た構造を持つ、含硫有機化合物です。

さまざまな生理機能をサポートする重要な成分で、胆汁酸の生成や細胞膜の安定化、神経伝達の調整などに関与します。

サプリメントでは、疲労回復や肝機能サポートを目的とした商品が市場に多いです。

サプリメントのイメージが強いタウリンですが、実は化粧品でも、保湿目的で使用されています。

タウリンに期待される効果

疲労回復・運動パフォーマンス向上

タウリンは、運動後の筋グリコーゲン回復を促進し、疲労回復をサポートする働きがあります。

研究結果によると、6〜15日間にわたって、運動の1～3時間前にタウリン1〜3g/日を摂取することで、有酸素耐久性の向上、無酸素運動の強度・パワー向上、運動後筋痛（DOMS）の軽減が確認されています。

参考文献：Jennifer A. Kurtz他、Taurine in sports and exercise

抗酸化・炎症制御作用

タウリンは、運動による酸化ストレス下での筋肉の炎症・損傷の低減、抗酸化効果があります。

文献によると、筋損傷の度合いを判定する数値（CK）や乳酸値、無機リンの上昇を抑制し、回復促進を助けることが報告されています。

参考文献：Jennifer A. Kurtz他、Taurine in sports and exercise

脂肪代謝サポート

タウリンは、脂肪の消化と吸収を助ける働きがあります。

実験結果によると、タウリンは胆汁酸の生成を刺激することで、コレステロールの分解を助け、血中や肝臓のコレステロール濃度を低下させる効果が報告されています 。

参考文献：Teruo Miyazaki他、Upregulation of Taurine Biosynthesis and Bile Acid Conjugation with Taurine through FXR in a Mouse Model with Human-like Bile Acid Composition

肝機能サポート

タウリンは、胆汁酸と結合することで、肝臓の細胞の保護に関与すると考えられています。

胆汁酸は、排出されず肝臓にうっ滞すると、肝細胞の破壊や肝機能低下につながってしまいます。

論文によると、タウリンによって肝臓内の胆汁酸濃度が低下し、胆汁酸の効率的な排出が促進され、肝臓保護につながることが明らかになっています。

参考文献：Teruo Miyazaki他、Upregulation of Taurine Biosynthesis and Bile Acid Conjugation with Taurine through FXR in a Mouse Model with Human-like Bile Acid Composition

皮膚バリアと保湿機能

タウリンは、肌の水分保持に関与します。

表皮の細胞にはタウリン輸送体が存在し、浸透圧の調整を行い、角質層の水分保持に有効です。

参考文献：Wilfried Siefken他、Role of Taurine Accumulation in Keratinocyte Hydration

心血管サポート効果

タウリンは、心血管機能を改善する効果が期待されてます。

2025年の研究結果では、軽度高血圧の人にタウリンを6か月間摂取させたところ、血圧が有意に下がり、心臓の働きも改善することが明らかになっています。

参考文献：Chih-Chen Tzang他、Insights into the cardiovascular benefits of taurine: a systematic review and meta-analysis

一日推奨摂取量

正確な摂取量は定められていませんが、一般的には500〜2000mg/日程度とされています。

化粧品表示名称

タウリン

タウリンでサプリメント・化粧品を製造する場合

タウリンを使用したサプリメントは、タブレットやカプセル、ドリンクタイプなど多様な形状で販売されています。

配合成分としては、ビタミンB群、クエン酸、アルギニンなどと組み合わせると疲労回復効果が高まるとされており、おすすめの組み合わせです。

化粧品では、ジェル、ミスト、化粧水、美容液など、保湿で使用されるアイテムと相性が良いです。

処方としては、アラントインやヒアルロン酸と併用して、保湿や肌荒れケアをコンセプトにして販売されることが多いです。

タウリンを活用したサプリメント・化粧品の開発をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。