OEM(受託製造)コラム
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オリジナルプロテイン製造のために知っておくべきプロテインの種類
プロテインは英語で、直訳するとタンパク質です。
ただ、日本国内の場合はプロテインサプリメント(タンパク質を高濃度で抽出して粉末状にしたもの)を指すことが多いです。
プロテインサプリメントには大きく分けて『植物性』と『動物性』の2種類があります。
一般的に認知度も高くなってきたプロテインですが、製造方法や効果などの違いがあります。
今回はそれぞれのプロテインの特徴と違いを説明しますので、製造をご検討の方はご自身が作りたいと思うプロテイン選びの参考にしてみてください。
目次
ソイプロテイン(植物性プロテイン)
ソイは直訳すると大豆。つまり大豆のタンパク質が主原料の大豆プロテインです。
大豆には油脂のほかに約35%の良質なタンパク質が含まれていて、ソイプロテインは油脂を搾汁した後に、タンパク質を抽出したものです。
植物性プロテインの中で最も多くのプロテイン製品に使用されています。
SUNAO製薬でも美容に良く、原料が動物性プロテインと比べて安価なことから、多くの製品に使用しています。
ソイプロテインの特徴
ソイプロテインの特徴としては下記が挙げられます。
- 腹持ちが良い
- 乳糖を含まない
- 美容やダイエット効果が期待できる
ソイプロテインは消化吸収が緩やかなため、腹持ちが良いという特徴があります。
また植物性で乳糖を含まないため、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる(乳糖不耐症)、乳由来のプロテインが苦手という方でも飲めるのも特徴です。
飽和脂肪酸やコレステロールも少なく、大豆イソフラボンなど女性に嬉しい成分も含まれているので、美容やダイエットを心掛ける女性にも多く飲まれているプロテインです。
高齢者の筋肉維持にも役立つソイプロテイン
近年の研究で大豆由来のタンパク質は、筋肉の萎縮を抑制する働きがあることが分かってきました。
身体活動の低い被験者では、30日間の大豆蛋白質の補充は、カゼイン蛋白質の補充に比べ、有意に大腿四頭筋量を増加させた
寝たきり患者では、カゼイン蛋白質は大豆蛋白質よりも大きく骨格筋量を増大させたが、試験介入後の筋力は大豆蛋白質の方がより大きく増強させた。
引用:宇宙飛行士の安全な長期宇宙滞在を可能にする機能性宇宙食の開発|文部科学省
高齢者は食欲の低下や、咀嚼力の低下から肉や魚などのタンパク質の摂取が難しくなります。そのため、高齢者のためのソイプロテイン製品も需要が出てきました。
ホエイプロテイン(動物性プロテイン)
ホエイは日本語に直訳すると『乳清』です。
乳清は牛乳から脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液で、牛乳に含まれるたんぱく質の約20%を占めています。
チーズを作るときに発生する液体や、ヨーグルトの上澄みなどがこれにあたります。
この水分を飛ばして粉末状に加工したものが、ホエイプロテインです。
※ここ数年、ホエイの需要が世界的に伸びており、価格が高騰しています。ホエイプロテインの在庫の有無や価格に関しては担当者にお問い合わせください。
ホエイプロテインの特徴
ホエイプロテインの特徴としては下記のようなものが挙げられます。
- 体内への吸収が早い
- 筋肉の合成に必要なアミノ酸(ロイシン)が豊富
- 生体内での利用効率が良い
ホエイプロテインは、体内への吸収が早く、筋肉合成に欠かせないロイシンが豊富なため、運動の後ダメージを受けた筋肉に素早くアプローチできます。運動を日常的に行っている方やアスリートの方に最適なプロテインです。
また、ホエイプロテインは製法が3種類あり、製法ごとに様々な特徴を持っています。
WPC製法
濃縮ホエイタンパク質(Whey Protein Concentrate)の略です。
牛乳からホエイをろ過して凝縮して粉末化する製法です。
タンパク質の含有量は約80%と3つの製法の中では低いのですが、牛乳由来のミネラルやビタミンが豊富に残っており、3つの製法の中では最も安価なホエイプロテインです。
ただし、『乳糖』が多く含まれるため、乳糖不耐症の方にはお腹の調子が悪くなる原因になり不向きです。
WPI製法
分離ホエイタンパク質(Whey Protein Isolate)の略です。
WPCで分離されたタンパク質を、さらに『イオン交換』または『フィルター膜処理』などの方法で不純物を取り除いたもので、タンパク質の含有量も約90%と高めです。
フィルター膜処理の場合は、タンパク質を低温で処理できるため、熱による変性の心配がないと言われています。
またWPI製法のホエイプロテインは純度が高い分、WPC製法よりも消化吸収が早いという特徴があります。脂質や乳糖もほとんど含まれていないため、乳糖不耐症の方でも安心してご利用いただけます。
ただ、製造に手間とコストがかかるため、価格も少々高めです。
WPH製法
加水分解乳糖タンパク質(Whey Protein Hydrolysate)の略です。
WPCで製造したタンパク質を、酵素の働きでアミノ酸の細かいレベル(ペプチド)まで分解するのがWPH製法です。
WPH製法で作られたホエイプロテインは、別名『ホエイペプチド』とも呼ばれます。
すでに分解された状態なので、胃腸への負担も少なく、吸収速度が早いことが特徴です。
タンパク質の含有量も90~95%と高いのですが、価格も3つの製法の中で最も高価なため、アスリートの方や激しい運動をされる方にオススメのプロテインです。
カゼインプロテイン(動物性プロテイン)
カゼインは牛乳に含まれるタンパク質の約80%を占める物質で、乳固形分と呼ばれる主要成分の一つです。
チーズやヨーグルトは、このカゼインが凝固する性質を利用して作られたものです。
カゼインプロテインの特徴
カゼインプロテインの特徴としては下記のようなものが挙げられます。
- 体内にゆっくり吸収される
- 腹持ちが良い
- 体内の利用効率が良く、カルシウムや鉄の吸収を助ける
ホエイプロテインが水に溶けやすい水溶性で、カラダに吸収される速度が速いのに対し、カゼインプロテインは水に溶けにくい不溶性なので、ゆっくりカラダに吸収されるという特徴があります。
吸収が遅いことで、体内に長時間アミノ酸を供給できるため、効果が長続きするという利点もあります。また、胃の中で固まる性質があるので、満腹感も長続きします。そのため、カゼインプロテインは別名『スタミナプロテイン』とも呼ばれます。
長期間で見た場合、ホエイよりも筋タンパク質合成効果が高いことも報告されていて、ハードなトレーニングをされている方は休息の日に、もしくは寝る前などに摂取すると、疲労回復や筋肉の修復などの効果が期待できます。
その他のプロテイン
一般的に流通している以外にも、下記のような種類のプロテインもあります。
ピープロテイン(植物性プロテイン)
エンドウ豆(黄色エンドウ豆/イエローピー)を原料にした新しい植物性プロテインです。
植物性で乳、大豆などのアレルゲンを含んでおらず、大豆アレルギーのヴィーガンやベジタリアンの方にも嬉しいプロテインです。
筋肉の修復や精製に必要不可欠な3種のアミノ酸・BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)もホエイ並みに含まれていて、吸収速度はソイプロテインと同じように穏やかです。
アメリカで人気が高まっている新しいプロテインで、海外セレブも愛用している話題性から日本でも注目が集まり始めています。
ライスプロテイン(植物性プロテイン)
玄米や発芽玄米からタンパク質抽出したプロテインで、ソイプロテインの代替素材として、欧米では積極的に利用され始めています。
筋肉を肥大させる目的においては、ホエイとほぼ同等の効果が認められているとの研究結果もあり、腹持ちも良いのですが、非常に高価なプロテインです。また、味わいや香りが独特なので飲みやすく工夫する必要があります。
ビーフプロテイン(動物性プロテイン)
その名の通り牛肉を原料にしたプロテインです。
牛肉(例えば牛ステーキなど)は、食べてから消化・吸収されるまでに5時間以上かかると言われています。
しかし、ビーフプロテインなら1時間程度で消化・吸収されるうえに、筋持久力をサポートする『ビタミンB群』や、血液の産生に欠かせない『鉄分』、筋繊維の回復や男性ホルモンの活性化に欠かせない『亜鉛』など、様々な栄養素も含まれています。
日本ではなじみが薄いプロテインですが、海外の一部のトレーナーからは熱狂的に支持されているプロテインです。
しかし、原料が牛肉のため、非常に高価で、味も万人受けしないのがデメリットです。
エッグプロテイン(動物性)
エッグプロテインは、卵白(卵の白身)を使用して作られたプロテインです。
糖質、脂質、コレステロールが少ないため、ダイエットをしながら筋肉をつけたい、という方にはオススメのプロテインです。
また、血清中のタンパク質である『アルブミン』が豊富であるという特徴があります。
アルブミンは体内に吸収されると筋肉に変化しやすいという特徴を持っているので、エッグプロテインを摂取して運動すると、より効率的に筋肉を付けることが出来ます。
ただし、ホエイやカゼインに比べて高価なため、なかなか市場には出回っていません。
プラスアルファのプロテインを作りませんか
プロテインには様々な特徴があり、製造価格帯や味も様々です。
また、SUNAO製薬ではターゲットとするお客様のニーズに合わせて、プロテインの他にコラーゲンやL-カルニチン、ビタミン類など様々なプラスアルファの原料を追加したり、個包装にすることも可能です。
SUNAO製薬にはプロテインマイスターを取得した担当者がおりますので、オリジナルプロテインの製造に興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。