OEM(受託製造)コラム
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グルタチオン化粧品をOEMで製造するには?製造のポイントと差別化戦略のヒントをご紹介

美白スキンケア市場は年々拡大する一方で、ナイアシンアミドやビタミンC誘導体など“定番成分”ばかりが並び、差別化が難しい状況です。
そんな中、美容点滴やサプリで人気を集めてきた「グルタチオン」が、韓国コスメを中心に化粧品分野でも注目され始めています。
「次の美白トレンドはこれかもしれない」と考え、製品開発への活用を検討する企画担当者も少なくありません。
しかし、成分としての特性や安定性、既存美白成分との違い、そして実際にOEM製造が可能なのか、わからないことも多いですよね。
本記事では、グルタチオンを化粧品として採用する際のメリット・課題・OEM製造のポイントを解説します。
グルタチオン化粧品の開発にご活用ください。
SUNAO製薬では、化粧品のOEM製造をおこなっております。
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目次
美白スキンケア市場とグルタチオンの注目度
TPCビブリオテックの調査結果によると、日本の美白スキンケア市場は2024年に前年比5.1%増の2,864億円に達し、夏の長期化による日焼け・シミ予防意識の高まりを背景に拡大を続けています。
しかし、多くの商品はナイアシンアミドやビタミンC誘導体など“定番成分”が中心で、消費者は「どれも似たように見える」と感じています。
こういった背景が、新しい美白成分を求める企画担当者の動機となっており、差別化成分として今、グルタチオンが注目され始めています。
グルタチオンとは?化粧品成分としての基礎知識
グルタチオンは体内にも存在する成分で、抗酸化や解毒効果があります。
美容医療やサプリメントの領域で知られる一方、化粧品原料としては「透明感ケア」「抗酸化ケア」を同時に訴求できる次世代成分として注目を集めています。
ここでは、グルタチオンの基本情報と化粧品原料としての特徴を解説します。
グルタチオンの成分概要と働き
グルタチオンはグルタミン酸・システイン・グリシンから構成されるトリペプチドで、体内で酸化ストレスを抑制する役割を持ちます。
化粧品に配合することで、メラニン生成に関わるチロシナーゼ活性を抑制し、シミやくすみを防ぎます。
また、抗酸化作用で肌のアンチエイジングをサポートします。
化粧品原料としての特徴
INCI(化粧品原料国際命名法)で定められた名称「Glutathione(グルタチオン)」として国際的に登録されています。
日本でも化粧品成分として、グルタチオンを表示可能です。
ただし、国内では美白有効成分としては未承認のため、美白効果をうたうことはできません。
販売における表現としては「透明感」「肌コンディションサポート」といった表現で差別化するのが現実的です。
グルタチオンの化粧品製造の注意点
グルタチオンは抗酸化・美白など多機能な一方で、安定性が課題です。
処方の際には、安定性を維持する成分の併用やカプセル化、エアレス容器など外気に触れない設計にすると良いでしょう。
安定性確保はグルタチオンを化粧品に配合する上で、最も重要なポイントです。
「グルタチオン化粧品」が注目されている理由
グルタチオンが化粧品分野で注目される背景には、複数の要因があります。
ここでは、グルタチオン化粧品が注目される理由を解説します。
美容医療やサプリでの人気と認知度
グルタチオンは、もともと美白効果のある美容点滴やサプリメントの成分として、多くの人に認知されています。
「体内から透明感をサポートする成分」という印象があるため、消費者には馴染みがあり、化粧品に応用した際の受け入れられやすさも高いのが特徴です。
韓国コスメでの採用とトレンド性
韓国コスメ市場では、グルタチオンを配合した化粧水や美容液、シートマスクが続々と登場し、SNSで話題を集めています。
美容医療やサプリで人気の成分を「毎日のスキンケアに落とし込む」という流れは、Z世代など若年層を中心に強い共感を得ており、日本市場にも波及しつつあります。
グルタチオンは他の美白成分とどこが違う?
消費者が必ず気にするのは「既存の美白成分との違い」です。
ナイアシンアミド、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸などの主要成分と比較することで、グルタチオンのポジションが明確になります。
ここでは、他の美白成分との比較とグルタチオンの優位性・課題を解説します。
主要な美白成分との比較
成分 | 特徴 | グルタチオンとの違い |
---|---|---|
ナイアシンアミド | 美白有効成分として承認済。安定性◎。 | 定番美白成分として認知されている。差別化しにくい定番成分。新規性ではグルタチオンが優位。 |
ビタミンC誘導体 | 高い抗酸化作用と美白効果。刺激性・安定性△。 | 抗酸化作用は共通だが、グルタチオンは抗炎症までカバー可能。 |
トラネキサム酸 | 炎症性シミ・肝斑に有効。有効成分としての信頼性◎。 | 効能表現は限定的。多機能性ではグルタチオンが強み。 |
グルタチオンの優位性と課題
優位性
- 美白・抗酸化・抗炎症を兼ね備えたトリプル機能成分。
- 美容医療・サプリでの認知度が高く、消費者に伝えやすい。
- 新成分としての差別化力があり、他成分にない新規性を打ち出せる。
課題
- 安定性の確保が難しい。
- 原料コストが比較的高く、大衆向け商品には不向き。
- 国内での認知度はまだ限定的で、市場浸透には時間がかかる。
グルタチオン化粧品で狙いたいターゲット層
グルタチオンは美白・抗酸化・抗炎症と多機能な成分ですが、安定性に課題がある点や、医薬部外品の美白有効成分ではないため効能表現に制約がある点を理解して活用する必要があります。
ここでは、グルタチオン化粧品がぴったりなターゲット層と活用する際の注意点を解説します。
主なターゲット層
ターゲット層 | 理由・特徴 |
---|---|
20代後半〜30代前半の美容感度が高い女性層 | 韓国コスメや新成分に敏感で、SNSを参考に商品を選ぶ。新しい美白成分への関心が高い。 |
美容点滴・サプリに関心がある層 | すでにグルタチオンを知ってる人が多く、スキンケアへの展開に自然に受け入れやすい。 |
美白+エイジングを同時に意識し始めた層 | 抗酸化や複合ケアを重視し、グルタチオンの多機能性と相性が良い。 |
グルタチオン化粧品の注意点
- グルタチオンは原料コストが比較的高いため、プチプラや大衆向け製品には不向きです
- ナイアシンアミドやビタミンCに比べると、効果実感に時間がかかる場合があります
- 医薬部外品の有効成分ではないため、薬機法上の制約があり、「美白」と表現できません
消費者に伝えやすい訴求ポイント
グルタチオンの特性を踏まえると、以下の3つの軸が消費者に響きやすい訴求ポイントになります。
透明感ケア
「くすみ対策」「クリアな印象」など、日常的な美容ニーズに直結。
安心感(体内成分由来)
もともと体内に存在する成分であることから、自然で安全なイメージを訴求できる。
美容医療・サプリとの親和性
「美容点滴やサプリで人気の成分をスキンケアに」というストーリーが共感を得やすい。
消費者に響く、訴求・マーケティング戦略
市場で成功させるためには、競合商品の動向を把握し、自社商品にどのような差別化要素を盛り込むかが重要です。
特にSNSや口コミで拡散されやすい切り口を意識することが、化粧品をヒットさせるカギとなります。
ここでは、市場の競合事例と差別化のためのマーケティング戦略を解説します。
韓国ブランドの事例
韓国ブランドでは、グルタチオンを配合した美容液やシートマスクが「透明感ケア」「美容点滴発想」といったキャッチコピーで販売され、SNSで急速に拡散されています。
若年層を中心に「新しい美白成分」としての認知が高まっています。
日本国内の事例
日本国内でも美容液やクリームにグルタチオンを取り入れる商品が登場し始めています。
数はまだ限られますが、「韓国発のトレンドを取り入れた新提案」として注目されています。
競合動向から見えるチャンス
海外で先行している一方、国内ではまだ普及途上にあります。
今の段階で採用することは「時代を先取りするブランド」としての差別化につながります。
既存商品との差別化戦略の考え方
既存商品との差別化を考える際には、単に「新しい成分を加える」だけでは不十分です。
誰に向けて、どのような立ち位置で商品を展開するのかを明確にすることが重要です。
その際に参考になるのが、マーケティングの基本フレームワークである STP分析 です。
- Segmentation(市場の細分化)
美白市場を「Z世代の韓国コスメ愛用層」「30代前半のエイジング予防層」などに分けて整理します。 - Targeting(狙う層の決定)
グルタチオンは「新成分への感度が高い層」や「美容医療やサプリに親和性のある層」と相性が良いと考えられます。 - Positioning(市場での立ち位置の決定)
ナイアシンアミドやビタミンC誘導体が定番となっている中で、「美容医療で人気のグルタチオンを日常スキンケアに」という切り口で差別化を図ります。
このようにSTP分析を行うことで、グルタチオンの単なる「原料の新しさ」ではなく、ブランドとしてどう市場に位置付けるかまで落とし込むことができます。
OEMでグルタチオン化粧品を製造するポイント
グルタチオンを実際に化粧品に取り入れる際には、OEMメーカーとの連携が不可欠です。
ここでは、OEMでグルタチオン化粧品を製造する際の実務的なポイントを解説します。
処方設計と安定性の課題
グルタチオンは安定性に課題があるため、安定性を維持する成分の併用やカプセル化技術で安定化を図る必要があります。
OEMメーカーに相談しながら、処方の安定性を高めましょう。
配合量の調整
グルタチオン配合量としては、海外製品では1〜2%程度の配合事例が多く、日本国内でも美容液やクリームで低濃度採用例があります。
目的に応じた適切な配合量をOEM先と検討しましょう。
製造コストとロット・費用感
グルタチオンは定番成分に比べてコストが高めです。
そのため、プレミアムラインや限定アイテムに適しています。
OEMでは最低ロットや充填形態によりコストが変動するため、製造依頼前に見積もりを取ることが重要です。
化粧品製造の具体的な最小ロット、費用感など詳しく知りたい方は、SUNAO製薬の化粧品OEM製造の流れをご参照ください。
グルタチオン化粧品製造のよくある質問(FAQ)」
グルタチオン化粧品をOEMで検討する際、多くの疑問が出てくるかと思います。
安定性やコスト、訴求表現の範囲などを理解しておくことで、不安なくOEM相談を進められます。
ここでは、よくある質問と回答を解説します。
- 美白効果を表示できますか?
- 医薬部外品ではないため「美白」という表記はできません。「透明感」「くすみケア」といった表現が可能です。 化粧品の表記について詳しく知りたい方は、化粧品の薬機法についてまとめている記事をご参照ください。
- 安定性はどう確保しますか?
- 安定性を維持する成分の併用やカプセル化技術で安定化できます。
- コストはどのくらいですか?
- 定番成分より高めになります。OEM先に早めに見積もりを依頼するのがおすすめです。
- どんなアイテムに向いていますか?
- 美容液・クリーム・シートマスクなど、効果訴求型の製品に適しています。
グルタチオンで一歩先の市場をつかむ
グルタチオンは、まだ国内では少数の事例しかない新しい化粧品原料ですが、美容医療やサプリでの人気、韓国コスメでの事例を背景に、今後の広がりが大いに期待されています。
差別化できる成分を探しているブランドにとって、まさに「時代の先取り」となる選択肢です。
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