OEM(受託製造)コラム
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サプリメントでも取得できる特別な食品認証を解説。
近年、多様化するライフスタイルや国際化していく社会の中で、食に関わる部分では特殊な配慮が求められる場面が増えてきました。
特にアレルギー物質はサプリメント・健康食品の分野でも、配合する成分や製造する工程に配慮が求められています。
ただ、身体に影響は出ないものでも、ライフスタイルや宗教に合わせた特別な認証を取得できる場合があります。
「特別な認証」と聞くとニッチな市場と考えられるかもしれませんが、国内市場だけではなく海外に販売を拡大できる可能性があります。
これからサプリメント・健康食品の製造・販売を検討中の方は、認証を取得することで商品の信頼性・権威性を高めた商品づくりのアイデアとしてご確認ください。
この記事では以下の3つの状況に対応した食品で取得する認証の一部を紹介します。
SUNAO製薬では、サプリメント、健康食品の委託製造をお受けしております。「強みをもたせたい商品を販売したい」などのご希望をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
目次
認証制度とは
認証とは定義された条件に合致した事を証明するために、信頼性や安全性を確保するために取得されます。
食品関連の場合には団体や機関が食品の品質や安全性を保証するために認証制度を設けています。サプリメント・健康食品は法律上食品なので生産や製造工程について認証や、生産工程に関する、「食」に関するものが多く存在します。
また、食品に関わる認証制度も多くあり、国際規格及び国際基準に準拠した認証なども存在します。
どのような対応が必要なのかで、大きくの2つ分類があります。
- 原料や製造過程が条件に合致しているか
- 特定の成分を含んでいないか
複数の判断軸が適用される認証もあります。2つの分類を解説していきます。
原料や製造過程が条件に合致しているか
宗教上などの理由などにより特定の原料を使っていないか。また、原料だけではなく製造工程においても許可されていないもの(油など)を使っていないかを判断される認証があります。
多くの場合、製造工程も含めて専門家による査察を必要とし、より厳格な対応が求められる傾向があります。
ちなみに、オーガニック食品に付与される有機JAS認証は、製造工程だけではなく原料の生産工程においても条件があるので製造工程を整備するだけでは取得できない難しい認証と言えます。
原料や製造工程が判断される認証の例
- ハラル認証
- ビーガン認証
- コーシャ認証
特定の成分を含んでいないか
製造した商品に特定の成分が含まれていないかを重要視している制度があります。
摂取した成分が、身体に影響を与え想定していない影響や悪影響を与えてしまう可能性があるため、
専門の検査機関で成分を分析して適合出来る場合もありますし、認証機関での検査で認証取得できる場合など複数の方式があります。
成分の内容が判断される認証の例
- 乳児用規格適用食品
- 低FODMAP認証
- アンチ・ドーピング認証
ライフスタイルや職業に対応する認証
多様なライフスタイルが存在する現在では、何を食べるかの選択肢が多い反面、何を食べないか・食べれないかという状況もあります。
ここでは、一例としてビーガン、アンチ・ドーピングについて解説します。
ビーガン認証
ビーガン(Vegan)は、肉や魚を食べない菜食主義(ベジタリアン)に対して、卵や乳製品、はちみつなども食べない食のライフスタイルの方たちです。
また宗教的な理由で菜食主義の方もいらっしゃいます。
そういう方たちは、食品が調理工程も含めて動物性の食材を使用しているかどうか判断するのが難しく、食の選択肢が限られています。
ビーガン認証は、製造工程も含めて動物性のものを不使用であることを証明し、ビーガンの方に安心して食を届ける目的で作られています。
ただし、ビーガン認証にも複数の物があり、厳密に製造工程に動物性のものを使用しないものや、製造ラインには使ってOKな認証などが存在します。
アンチ・ドーピング認証
能力を増幅させる可能性がある手段(薬物あるいは方法)を不正に使用することをドーピングと言います。
禁止されている薬物(禁止薬物)は一般的な医薬品やサプリメントに含まれている場合があります。スポーツ選手が体調不良などで、禁止薬物が含まれた医薬品やサプリメントを取ってしまう「うっかりドーピング」が起きてしまうそうです。
健康食品の場合は、食品添加物は「原則としてすべての食品添加物を『物質名』で食品に表示する」よう食品表示法で定められています。 ただし、一部の食品添加物については使用目的を表す「一括名」で表示できる例外が認められているため、物質名が表示されない食品添加物があります。
つまり、パッケージを見ても禁止薬物が含まれていかどうかが明確にわからない状態が発生しています。
禁止薬物が含まれている商品を摂ってしまうとスポーツ選手にとっては大問題です。
そこでアンチ・ドーピング認証を取得することで、スポーツ選手にとって使っても問題ない商品とアピールすることができます。
日本国内では有名な栄養ドリンクやプロテインパウダーがアンチ・ドーピング認証を取得しています。
身体的状況や事情に対応する認証
食品を摂ることで、身体的に影響がでてしまう場合があります。病気の場合もありますし、身体の状態により起きる場合もあります。
例えばアレルギー食品不使用などと表示するのも、消費者にとっては親切です。
ここでは身体的状況や状況に対応する認証や制度を紹介します。
低FODMAP認証
FODMAPとは、小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質の総称です。
過敏性腸症候群(IBS)などの病気をお持ちの方がFODMAPを含む食品を食べると下痢・腹部膨満などを起こす可能性があります。
FODMAPを含まない食品を低FODMAP食品と呼び、海外の専門機関の検査を受け認証を取得することができます。
IBS(過敏性腸症候群)やお腹に不調を抱える方の多くは、 近くにトイレがないと不安で仕方ない 学校の試験や会社の会議が怖くて仕方ない ものを食べるのが怖い など、生活をする上で大変不安な思いをされています。 中には、[…]
乳児用規格適用食品
乳児用の食品(離乳食)は特に注意が必要な食品の一つです。
離乳食は、まだ身体が十分に成長していない状態の赤ちゃんに与える食事なので、含まれる成分なども気にしなければいけません。
乳児用企画適用食品とは、食品中の放射性物質の基準値をクリアした食品に表示が義務付けられており、離乳食として販売するためには必須の条件です。
大手インターネット通販モールでは、パッケージに記載がされていない(=検査で基準をクリアしていると判断できない)場合には離乳食としては販売させてもらえません。
『まるごと鶏レバー』は九州産の新鮮な鶏レバーを粉末にした、パウダータイプの商品です。 保存料、香料、着色料、化学調味料は一切使用しておらず、九州産の鶏レバーだけを使い製造しました。 食べにくく下処理が必要な鶏レバーを、簡単・手軽にお料理[…]
宗教・文化に対応する認証
信仰する宗教や長い時間をかけ培われてきた文化によって食の方式が定められている場合があります。
教義や文化に厳格に従う方は、確実に安全であると判断出来ない食品は口にせず、誤って食べてしまうことを避けるそうです。
多様性の時代、信仰する宗教の自由を憲法で保障されている日本では、食品も宗教への対応が求められている時代に入ってきていると言えます。
ここでは宗教・文化に対応するための認証を紹介します。
ハラル認証
イスラム法に則って適切に処理された食品に対して、付与される認証がハラル(ハラール)認証で、イスラム教を信仰している方向けに販売される商品です。
特に豚やアルコールを使った食品は教義に反するために避けられており、他にも細かく原料や工程なども検査され判断されます。
さらに調味料やサプリメントでもイスラム法に則って作られているかを求められます。
ハラル認証機関は国内外に複数あります。
コーシャ認証
ユダヤ教の聖典には食べても良い食物、食べてはいけない食物が記載されています。ユダヤ教徒が食べても良いとされる清浄な食品で有ることを証明したのがコーシャ認証です。
コーシャ認証は、原料の種類・製造工程も当然のことながら検査対象ですが、食肉の場合には加工の方法も検査の対象になります。
サプリメントも対象になり、添加物に禁止された素材が使用されていないかが非常に大事です。
パッケージに関しても細かい条件が有るのが特徴です。
コーシャ認証を取得した日本酒もあり、日本国内の認証機関もあります。
認証を取得する方法
認証を取得する流れは各認証毎に異なりますが、専門機関で認証してもらう形式がほとんどです。
成分検査だけで終わる場合には、製造した商品を分析機関もしくは認証機関で分析し、認証条件に合致しているかどうかで判断されます。 検体の送付費用や検査費用はかかるものの、製造工程の検査が無いので比較的短期間で結果がでやすいのも特徴です。
製造工程や原料を検査される場合には、工程を認証に準拠した手順で行った上で、監査者による立入検査を受けて認証される場合がほとんどです。 認証を受けるためには多くの時間と努力が必要になります。
また費用も様々で、成分検査の場合には検体の製造費用・検査費用などが必要です。原料加工や製造工程まで検査される場合には、変更対応しなければならない箇所次第ではありますが、多くの費用が必要になることは容易に想像できます。
認証を取得する際には、取得にかかる費用と取得後にどれだけ販売に効果が出るかを見極めながら判断する必要があります。
認証を取るメリット
認証を取ると、今までの販売顧客層を拡大することができます。
食品には何が含まれているか分からない状態では購入を控えていた方たちにとっては、認証マークは安心して購入できる目印です。
厳しい戒律のもとで生活していたり、禁止薬物を接種しないようにしている生活の中では食品の選択肢は狭いままです。認証を取った商品が市場に投入されることにより、消費者の選択肢が広がり市場が活発化する可能性は大いにあります。
また、同じ悩みを持つ方同士のコミュニティなどで、商品の情報が共有されれば、ニッチではありますが強い欲求があるので、商品を選んでもらいやすくなります。
更に世界に目を向ければ、さらなる広がりを感じることができます。
世界中でイスラム教を信仰している人口は約19億人と言われています。世界人口が約80億人なので、4人に1人はイスラム教徒だと言えます。 例えば、イスラム教を信仰する方々にハラル認証をとった健康食品を販売すれば、それが世界に広まる可能性は多くあります。
アフターコロナで回復しつつある訪日外国人に向けて販売するなど、新しい販路も作ることができます。
食品の特別な認証についてのまとめ
食品の認証は特別な状況やライフスタイルを持つ方々にとって、食の選択肢を広げてくれる制度であり、サプリメントでも認証を取ることは可能です。
認証を取得するには専門機関での検査・監査を受ける必要はあり、それぞれの認証によって求められる内容は異なりますので、提供したい顧客層の選択も必要ではありますが、大きく売上を作れる可能性もあります。
SUNAO製薬でも、乳児用規格適用食品、低FODMAP食品の自社商品でオンラインショップで販売しております。
これからサプリメント・健康食品の販売をご検討中の場合には、認証を取り新しいターゲットへの商品提供を検討してみてはいかがでしょう。