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サプリメントの食品事故。起こさないための対策と、起こしてしまった後の対応。
食品事故とは、その食品を摂る事で健康を損なう恐れのある事故の事を言います。
例えば、品質不良や賞味期限の誤表示・不正、アレルギー不正、異物混入などによる事故です。
事故を起こしてしまうと、ブランドの信頼を損なうだけでなく、場合によっては自主回収を行う必要もあり費用面でも大きな負担がかかります。
この記事では、食品事故を起こさない為の対策と、起こしてしまった際の対応について紹介します。
目次
事故を起こさないための対策
食品事故を起こさない為の対策について説明します。
必要な対策はしっかりと取り、事故のないようにしましょう。
品質を高く作る
どの工場でも細心の注意を払って商品の製造をしている為心配はありませんが、ISOやHACCPなどの認証を取得している工場で製造するとより品質の高い商品を作る事が可能です。
認証を取るためには、厳格に定められた製造工程や管理方法の基準を満たす必要があります。
その為、この認証を取得した工場に依頼すると、品質基準が高くより安心・安全を担保した商品を作る事ができます。
工場の認証については別の記事で解説しております。
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菌検査を行う
菌検査を行う事で、数値が基準値以下であるか、陰性かどうかがわかる為安全性の確認ができます。
菌検査の主な項目は、一般生菌数や大腸菌群などです。
万が一、検査結果に異常が出てしまった場合、出荷を止める事で食中毒や感染症の発生を未然に防ぐことができます。
工場の認証によっては、必須で菌検査を行う場合もあります。
注意点として、全ての菌が悪い訳ではない点は把握しておきましょう。
例えば、乳酸菌は身体にとって有益な菌ですが菌検査では一般生菌数として計測されます。
その為、通常より高い数値の一般生菌数が出ますが、乳酸菌を含めた数値である事を把握した上で判断する事が重要です。
設定されている基準に沿って製造・検査する
サプリメントや健康食品は、ジャンル毎に任意団体などが基準を設けている場合があります。
例えば、ハラル認証などの宗教上の制限や、乳幼児用食品やアンチ・ドーピング認証などの特定の成分が含まれていないかを重要視する制度です。
各ジャンルで設定された基準に基づいた商品作りをする事で、商品の品質を高める事ができます。
商品に認証マークをつけていると消費者も安心して購入する事ができる為おすすめです。
サプリメントでも取得できる認証があります。別記事で解説しておりますのでご確認ください。
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予防方法を消費者にわかりやすく見せる
サプリメントや健康食品は、購入後の扱い方で品質が左右されてしまいます。
その為、劣化を早めない様に予防方法を消費者に分かりやすく見せる事をおすすめします。
例として、
- 未開封・開封後の保管方法をパッケージに記載する。
- 開封後は変質しやすい為保管方法はしっかり守るように記載する。
- 誤った使い方をしないように注意喚起をする。
- 開封後は賞味期限に限らず早めに使用する事を記載する
等が挙げられます。
法律で定められた表示をする
アレルギー表示など、法律で定められた表示については抜けのないように必ず記載しましょう。
食物アレルギーは場合によっては重篤化する恐れがあるので、特に注意が必要です。
アレルギー物質を含む原材料を使用せずに製造している場合でも、製造工程の中で微量混入(コンタミネーション)する可能性もあります。
コンタミネーションの可能性についての表示義務はありませんが、幼児向けなどアレルギー反応によって特に重篤化しやすい場合には注意喚起の記載をおすすめします。
食物アレルギーについては別記事で解説しています。保険の対応も記載していますので参考にしてください。
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起こしてしまった場合の対応
注意して商品を作っていたとしても、どうしても事故が起きてしまう事もあります。
その場合、事故を隠してしまいたい気持ちもありますが、SNSが普及した現代では隠匿することはおすすめできません。
事故が起きてしまった際は、製造の責任として積極的な情報の開示と速やかに対応を行い信頼の回復に努めましょう。
ここでは、食品事故を起こした場合の必要な対応について説明します。
回収の対応
商品の回収には自主回収と回収命令があります。
自主回収の場合、各種法律を確認して回収が必要な事故かどうかを自社で判断する必要があります。
もし、危険度の高い食品事故を起こした場合は、国から回収の命令が出されるので速やかに回収しましょう。
もし自主回収を行った場合は、管轄の自治体へ届出をする事が義務化されていますので注意が必要です。
詳しくは、厚生労働省のサイトで確認をしてください。
対応窓口の開設をする
消費者に対しては、問合せや質問に対応する為の窓口を設置します。
HPなどに電話やメールでの問い合わせ先を明記し、直接連絡が取れるようにします。
あやふやな対応をして消費者を不安にさせない為に、事前に想定問答を用意する事も大切です。
積極的に情報発信を行う
食品事故を起こしてしまうと、ネガティブな意見をされる可能性があります。
その際、会社やブランドのイメージを気にして対応が後手になるよりも、消費者の健康を最優先に考えた情報発信が大切です。
判明した情報や最新の状況は、プレスリリースやホームページ、SNS等を活用して随時更新し、情報の開示が遅れないよう注意しましょう。
あくまで、購入された方の健康を最優先に考えた行動が大切です。
まとめ
食品事故は、起きてしまうと消費者庁のリコールサイトで一般に公開されます。
会社やブランドの信頼を落とし、その後の売上にも大きな影響を与えてしまいますので、
事故が起きない様に必要な対策はしっかり取り組みましょう。万が一事故が起きてしまった場合には、真摯な対応を心がける事が大切です。